民宿に巨大壁画

ちゃずさんの壁画制作を見守る子どもたち(国直さんごビーチ)

大和村国直 独自の風景を描く
こどもの日に「子どもたちと楽しく」

「こどもの日」の5日、大和村国直の民宿「さんごビーチ」に縦2㍍・横3㍍の巨大壁画が誕生した。壁画に描かれたのは、鮮やかな緑のフクギ並木と東シナ海に沈む真っ赤な夕日。フクギの枝先には、奄美の妖怪・ケンムンと一緒にアカショウビンやリュウキュウコノハズクが休憩し、ハイビスカスやクワズイモの生える並木道をハブとアマミノクロウサギが仲良く散歩している。制作したイラストレーターのちゃずさんは「子どもたちが見守る中、国直独自の風景を楽しみながら描くことができた」と笑顔。

ちゃずさんは2019年から2年間、期間限定で加計呂麻島(瀬戸内町)の西阿室集落に移住。その生活の様子を追ったドキュメント映画『夫とちょっと離れて島暮らし』(國武綾監督)は、日本各地で上映されている。

もともとちゃずさんのファンだった同民宿の江﨑隼太オーナーが、「こどもの日」に合わせてちゃずさんに依頼。「世界自然遺産に登録され、宮古崎やフクギ並木にもたくさんの人が来るようになった。この壁画が新たな観光スポットになれば、国直がもっと活気づく」と期待を込める。

ちゃずさんは2日、約1年ぶりに奄美大島に来島。翌3日から壁画を描き始めた。完成予定のこの日、制作様子を見ようと地元住民や島内から約50人の家族連れが訪れた。

ペンキまみれの赤いツナギを着たちゃずさんは、子どもたちの質問に「これはケナガネズミ。こっちにはケンムンもいるよ」と笑顔で応えながら筆を進める。またインスタグラムではライブでの配信も行った。

「奄美の豊かな自然を感じながら描いた。こんな機会を与えてくれたさんごビーチさんと、雨の中来てくれたみんなに感謝してます」とちゃずさん。

7日は加計呂麻島諸鈍の体験交流館で同映画を上映予定。10日には、龍郷町のネイティブシー奄美(ダイビングショップ)でも壁画制作を予定している。