要望書を提出した「わんにゃんハートネットとくのしま」の名富会長(左端)ら=天城町役場
【徳之島】徳之島の動物愛護団体「わんにゃんハートネットとくのしま」(徳之島町亀津、名富知会長)はこのほど、徳之島3町ネコ対策協議会(事務局・天城町)に対し、同協議会参加による相互の情報共有や保護猫施設の新設および増設、不妊去勢手術・医療費助成など6項目の要望書を提出した。
わんにゃんハートネットとくのしまは2018年、住民有志たちが「犬も猫も命がおびやかされない、人も猫も犬もしあわせに暮らせる島に」と設立したボランティア団体。会費や募金を頼りに、放置や遺棄された犬・猫の保護と譲渡を進め、適正飼養など啓発活動にも努めている。
一方、3町ネコ対策協は現在、環境省・県・3町行政で連携し、野生化した猫(ノネコ)によるアマミノクロウサギをはじめとする希少野生動物の捕殺など影響を防ぐための野良猫の捕獲・不妊去勢(TNR)事業、住民に対する犬と猫の適正飼養など啓発事業も進めている。
名富会長らは要望書でまず、「世界自然遺産に登録された徳之島で、希少動植物だけでなく『猫も犬も命が脅かされず、人と一緒にしあわせに暮らせる島に』。徳之島3町行政をはじめネコ対策協との相互協力なくして目的は実現できないと思います」などと切望。
要望事項に、①定期的な協議会への参加および相互情報の共有②保護猫施設の新設および増設③「地域猫」政策の実施(TNR実施後、地域住民が餌を与え安全に過ごせる場所の提供など)④施設保護猫への不妊去勢手術や医療費の助成⑤猫(子猫)の預かりボランティア制度の整備(鹿児島市の制度同様に野良猫を減らすことにつながる)⑥町営住宅での犬・猫の飼育(飼養の許可、飼養環境の整備)などを上げている。
3町ネコ対策協の関田進事務局長(天城町くらしと税務課長)は「内容を詳しく検討。少しでも要望に応えられるよう協議会に諮りたい」と話した。