多様な働き方モデル構築へ

多様な働き方を支援する拠点となることが期待される奄美市のWork Style Lab

奄美市・ICT技術活用、雇用拡大
創業、フリーランス支援

奄美市は今年度、同市笠利町の「ICTプラザかさり」と同市名瀬浦上町の「Work Style Lab(ワークスタイルラボ)」を拠点に、ICT(情報通信技術)を活用した創業支援やフリーランス支援を推進、多様な働き方モデルの構築による雇用拡大などを目指す政策連携事業を行う。これまで、個々の事業として実施していた創業支援やICT活性化推進事業などの政策を連携させ、新たな産業創出や市民の所得向上などにつなげたい考え。安田壮平市長が掲げる「持続可能にかせぐ地域づくり」に向けた新たな取り組みとなる。

同事業は①創業支援②フリーランス支援③ICT活性化推進④ICT企業誘致―の4事業を連携して進めるほか、各事業の拠点としてワークスタイルラボの効果的運営を目指す調査研究事業を行う。創業支援やフリーランス支援などを通し、多様な働き方のモデルを示し、島内外の企業などによるプロジェクト連携などを後押し、雇用拡大や地域の所得向上、移住や企業誘致の促進などを目指す。

創業支援では、創業に向けた知識向上のための講座を開催、講座を受講した創業者には、支援金(個人20万円、法人30万円)などを助成する。フリーランス支援では、人材の発掘、育成、広報を総合的に支援、フリーランスの共同体形成などに取り組むことで、仕事を誘致、イベントなどの開催なども支援する。

ICT活性化推進事業では、ICT関連事業者の事業拡大を目指したセミナーなどを開催、技術の習得向上を支援。市民が情報通信技術に触れる機会としてICTフェアの開催も計画している。また、市内全域に整備された光回線などのインターネット環境を生かしたICT企業の誘致にも力を入れることにしている。

こうした事業の拠点として市が期待しているのが、ICTプラザかさりとワークスタイルラボ。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、ワークスタイルラボでは、昨年7月のオープン後、たびたび休館措置が取られ、利用者が伸び悩んでいる現状もあるという。市商工政策課は「利用者へのアンケートなどの調査研究を行い、施設の効果的な運営を目指す。フリーランスや創業を希望する人たちの拠点施設としての機能を強化したい」としている。