奄美の梅雨時を代表するイジュの花が咲き始めた
梅雨入り間近か
奄美大島以南に分布するツバキ科のイジュ。山地に生える常緑高木で、花期は5~6月。純白の花がほころび始めた所もあり、梅雨入りが近いことを告げているようだ。
大きいものは高さ約20㍍、幹周り100㌢にもなることから、イジュは高倉の建築用材として重宝されたことで知られる。サンゴ礁の海を走るクリ舟の材料としても使われた歴史があり、「イジュの『イ』は魚の『イゥ』のこと。奄美方言が和名になった例」という指摘がある。樹皮は魚毒にも用いられたようだ。
新緑の頃の萌黄色から深い緑色になりつつある奄美大島の森。所々で白色に染まるようになればイジュの開花を伝えるが、まだツボミが膨らみ始めた樹木が目立つ。これからが開花のピークのようだ。早くも咲き始めた所では、清らかで可愛らしい黄色いおしべを縁取る純白の花を見ることができ、周囲に甘い香りが漂う。