「世界自然遺産博士講座」開講

第1回目は奄美海洋生物研究会の興克樹さんを迎え開講した「世界自然遺産博士講座」(7日、宇検村・元気の出る館)

登録地の自然の現状学ぶ
宇検村環境学習「『宝』を地域づくりに」

 2022年度「宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」(村教育委員会主催)が7日、村生涯学習センター「元気の出る館」で開講した。第1回目の講座「世界自然遺産登録の1年から見えてきたのはどんなこと?~現状と課題を知ろう!」が開かれ、奄美海洋生物研究会会長・興克樹さんが登壇。村内から児童生徒、保護者ら計22人が参加。村野巳代治教育長、元山公知村長らが見守る中、昨年7月に国内で5番目の世界自然遺産登録となった奄美・徳之島の自然環境の現状と課題、取り組みを学んだ。

 同講座の開催は、昨年に続き2回目。開催趣旨は「次世代の宇検村や奄美、ひいては日本、世界の持続可能な社会の創り手を育成する環境プログラム。また、子どもとともに、現代を担う保護者、教員、一般の方々も学び、考え、行動し、表現、発信する契機となることを目的とする」としている。

 開講にあたり、昨年度から同講座に協力、参加している阿室小中学校の岩切敏彦教諭が、世界自然遺産登録前に開講した昨年の講座を振り返りつつ、登録後の奄美大島の現状を解説。社会科の資料集で扱われるなど、改めて全国で注目を集めていることを伝えた。

 講師を務めた興さんは、同村での調査事例を報告しつつ、奄美大島・徳之島の自然を山・川・海に分け、各地に生息する固有種・外来種の紹介とともに現状を説明。そして「世界自然遺産は保全だけでなく、奄美の『宝』とし地域づくりに役立てるとともに、観光時のルール作りなどに協力していく必要がある」と児童生徒らに呼び掛けた。

 講座終了後の「振り返り」の時間では、児童らからは「焼内湾の調査もして欲しい」という意見や、「外来種の存在を初めて知った」などの感想が寄せられた。また、宇検集落から参加した女性は「世界自然遺産登録後に来島を希望する友人、親族が増え、案内できるようにと思い参加した」と話し「目から鱗のことばかり。大変ためになった」と話した。

 同講座は全6回、来年2月まで実施。第6回目は、講座参加者による発表会が予定されている。