「手話は自身の表現で」

手のひらを使って様々な動作を表現する手話講座受講生

「入門過程」開講、18人参加 奄美市

 奄美市福祉政策課障害福祉係は11日、市役所6階で手話講座「入門過程」を開講した。講座には20代~ 60代までの幅広い世代18人が参加。7か月間で30講座を受講し、全行程受講者には修了証が発行される。同課の中浜博さんは「手話は技術ではなく、相手の表情を読みとり自身の表現で伝えることが重要。楽しく学んでください」と受講生に呼び掛けた。

 「入門過程」は手話学習の経験がない人を対象に、聴覚障がい者と手話でコミュニケーションがとれることを目標に開講。講師として奄美地区聴覚障害者協会の会員4人が指導にあたった。

 初日のこの日は、①講師の手の動きをまねて表現②物の形の特徴をとらえて身振りで表現③それぞれの特徴や関わりを自分なりに表現―の3項目が課題。

 講師の説明と指導は手話で進行。「手話を学ぶには、手の形や動きをきちんと見てとらえる力が必要。同時に表情などをしっかりとらえるよう意識する」との通訳に受講生らは耳を傾け、与えられた課題(果物・動物・乗り物)を自分なりに表現した。

 同市名瀬朝仁町から参加した太月さおりさん(52)は「手話には以前から興味があった。まずは相手の意図を読み取れるくらいにはなりたい。正解のない自分なりの表現の仕方は難しい」と、初日の講座を振り返った。

 手話講座は「入門過程」と同時に、経験者を対象とした「手話通訳Ⅲ」も前日10日に開講。両講座とも7カ月間(11月まで)開催され、受講生は聴覚障がい者とのコミュニケーションづくりを目指す。