町内外に人気の「天城町農業塾」の開講式=12日、同町農業センター
【徳之島】2022年度天城町農業塾開講式および同第1回講座(町主催)が12日、同町農業センター(瀬滝)であった。農業の基礎知識を学び農業所得の向上、住民の家庭菜園・農園地づくり―に年6回シリーズ(自由受講・無料)で町外にも門戸を開き8年目。第1回は中高年層の女性を中心に町内外からの約35人が熱心に聴講した。
同農業塾は、同町農業センターが日ごろの農業研修生受け入れなど農業担い手の育成支援と並行して、関係機関・団体の専門家らを講師に2015年9月からスタート。農業者の技術向上のみならず、一般住民の菜園・農園づくりなど意欲と機運を高めるため、自治体間の垣根を越えて受講者を受け入れているのが特徴だ。
新型コロナウイルス感染症の島内情勢で、21年度は計画の6回講座のうち計3回(閉講式含む)が中止され、2年連続してコロナ禍の影響を受けた。しかし、15年度以降今年3月までの開講数は計36回(コマ)、反復学習の再受講者も多く、延べ受講者数は1602人に上っている。
開講式で森田弘光町長は、感染予防を怠らないウイズコロナ(共存共生)による町行事計画の遂行に意欲を示しつつ「人生100年時代。少しでも健康寿命を延ばし、みんなが元気でいるためにはバランスの取れた食事、自分たちで作ったものを食べることも重要。健康で笑顔のまちづくりの一助に」と期待。21年度閉講式も重ね「皆勤賞」の授与もあった。
早速の第1回講座では、同農業塾創設者の一人で招へいを続けている同町農業センター元所長の瀬川裕美氏(南九州市出身、農学博士)が「夏野菜づくりのポイント」で講義。ナス、ピーマン、キュウリ、スイカなど15種の夏野菜の栽培管理のポイントなど各論を具体的に分かりやすく解説した。
再受講者の一人・穐田光枝さん(74)=同町西阿木名=は、「花や野菜作りのポイントが素人でも分かり、友達もできる魅力的な講座と思う。今年は家庭菜園でキュウリやトウガン、カボチャにも挑戦しようと思っています」と話していた。
今後の講座日程(隔月第2木曜日、午後2時から2~3時間)とテーマは、▽7月7日「土づくりと施肥」▽9月8日「秋冬野菜の作り方」▽11月10日「病害虫防除」▽来年1月12日「夏野菜の種まき、堆肥、有機質肥料」▽3月9日「草花の栽培 フラワーアレンジメント」を予定。
聴講自由(当日参加可)。問い合わせは天城町農業センター(電話0997―85―2214)。