徳之島で「ツキヌキオトギリ」発見

国内南限の記録を塗り替える発見となった絶滅危惧種「ツキヌキオトギリ」=13日、伊仙町中部地区

伊仙町中部 南限塗り替えへ

【徳之島】奄美大島が国内南限とされてきた絶滅危惧種「ツキヌキオトギリ」(オトギリソウ科)がこのほど、徳之島・伊仙町でも初確認された。生物多様性に富んだ世界自然遺産の島のふところでの新たな発見となり、分布図が塗り替えられることになる。

発見者は、同島で自然保護・観察活動に取り組むNPO法人「徳之島虹の会」事務局長の美延睦美さん(59)。「生物多様性を守るには、意識を高く持ってまずは知ることが大切」。新たな発見には「あらためて生物多様性に富んだ世界自然遺産の島の価値を再確認。『珍しい植物だから』と採ったりせずに、皆さんも見つけて欲しい」と話す。

分類・同定に協力した鹿児島大学国際島嶼教育研究センター特任教授の鈴木英治氏(69)によると、ツキヌキオトギリは環境省の絶滅危惧種IB類に指定され、IA類に次いで2番目に絶滅の危険性が高い希少な植物。国内では奄美大島までしか発見されていなかったが「今回徳之島で初めて見つかり、新しい国内南限に。徳之島は奄美大島より植物の調査が遅れているので、まだ珍しい植物が出現する可能性が高い」と話した。