「奄美の黒うさぎコンサート」開催

シマ唄を共演する里アンナさん(左)と森山ユリ子さん(右)

出演者全員での「六調」でフィナーレとなったステージ

川崎市で シマ唄、八月踊りなど披露

 【東京】ゴールデンウイークなかば、神奈川県川崎市で「奄美の黒うさぎコンサート」(主催=同実行委員会)が開催された。ステージでは、クラシックから八月踊りまで、「奄美の文化」が表現された。観客は、島を実感できるプログラムを堪能していた。

 「祝・世界自然遺産登録!」と副題の付いた同コンサートは、4日に多摩市民館大ホールで行われた。川崎市などが共催、鹿児島県、奄美市、東京奄美会、奄美新聞社などが後援したもの。プログラムは2部構成。

 第1部では、「愛加那」の遠縁にあたる萩原かおりさんが歌い、「西郷隆盛」の弟・従道の血を継ぐ大藤桂子さんのチェロによる「歌物語・愛加那」。百数十年前のドラマを想像させるコラボレートに、観客は聴き入っていた。第2部は、昭和音楽大学合唱団が「ぐるだんど」を和楽器の組み合わせで披露。続いて里アンナさんが登場。大河ドラマ「西郷どん」のメインテーマのほか、「おぼくり~ええうみ」「糸くり節」を熱唱。森山ユリ子さんとの「豊年節」などを歌い上げた。

 さらに、山ゆり会による「八月踊り」が始まると、ホールは手拍子に包まれ、興奮のなか「六調」でのフィナーレとなった。コロナ禍で昨年中止となったイベントだけに、出演者には喜びの表情があふれていた。

 里さんは「2年ぶりで、また新たに奄美の風を吹かせられましたね」と熱いステージを笑顔で振り返った。奄美を離れて50年という泉勝彦さんも「とてもよかった。八月踊りには、涙が出ましたね」と感激ひとしおだった。この日集まった、約350人の奄美出身者らも満足そうに会場を後にしていた。