83・5%がルール守り事前予約

GW期間中、市道三太郎線で現地立会い調査する奄美野生生物保護センターの職員ら(奄美野生生物保護センター提供)

市道三太郎線
GW期間中の夜間利用状況 現地立会い調査実施

 環境省奄美群島国立公園管理事務所(奄美野生生物保護センター)は19日、奄美市住用町の市道三太郎線周辺におけるゴールデンウィーク期間中(4月29日~5月8日)の夜間利用状況などに関する調査結果をまとめた。同事務所によると、期間中(10日間)、同線周辺で野生生物の観察などを目的に夜間利用した車両は計158台。うち「奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議」が昨年10月から試行している利用ルールに従い、事前予約した車両は132台で、全体の83・5%だった。結果について同事務所は「利用ルールが広く浸透してきた。今後も事前予約など夜間観察ルールの周知に努め、三太郎線周辺の野生生物の保護につなげたい」としている。

 調査は「奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議」の構成団体である環境省、県、奄美市、世界自然遺産推進共同体が実施。29日と3~6日の5日間、予約状況確認などを目的に同事務所職員らが午後7時~同11時までの4時間、三太郎線の東仲間、西仲間の両出入口で立会った。3~5日については、利用者の属性などの利用動態も調べた。また、全期間中の利用状況について、自動撮影カメラ映像などを分析、利用台数と予約及び未予約利用者の車両台数を調査した。

 期間中の一日平均の利用台数は15・8台で、最も利用者が多かったのは5月2日の25台だった。利用ルールに従い事前予約したのは132台で未予約利用は26台だった。無断キャンセルも9件あった。

 3日~5日の現地調査では、調査時間内に49台が利用。うち半数以上の31台(63・3%)がガイドで、地元住民は13台(26・5%)、観光客(レンタカー)が5台(10・2%)だった。

 また同時間内に未予約で現地を訪れた車両は23台で、うち利用ルールの説明を受け利用を自粛したのは13台。また、当日の空き枠を予約して利用したケースと未予約のまま利用したケースがそれぞれ5台あった。

 市道三太郎線周辺では、近年、野生生物の観察などを目的とした夜間の車両通行が増加したため、同連絡会議が夜間利用ルールを作成、東西各入口から30分おきに1台の利用とし、WEBでの事前予約を求めているほか、走行速度(10㌔以下)や観察時の行動などのルールを定め、利用者に協力を求めている。