かごしま国体、復帰70周年記念大会に

かごしま国体を日本復帰70周年記念大会とするよう県に要請することを決めた市町村長会

「南カリフォルニア奄美会」物産展に出品
各種協

 奄美群島12市町村の首長、議会議長などで構成される各種協議会は25日、前日に引き続き奄美市名瀬の市民交流センターで、市町村長会や奄美群島広域事務組合など11団体の総会及び役員会などを開催、2021年度決算や22年度の事業計画、役員改選などを審議した。

 【市町村長会】(会長・高岡秀規徳之島町長)23年度に県内で開催される国民体育大会(かごしま国体)や奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の改正に向けた取り組みと、当面の市町村長会の行事について協議した。

 かごしま国体については、来年度が奄美群島の日本復帰70周年を迎えることから、大島地区で開催される相撲(奄美市)やトライアスロン(天城町)などの競技(公開、デモンストレーション含む)について、復帰70周年記念大会としての開催を県に要望することを決めた。近く、塩田康一県知事に要望書を提出する。

 意見交換では、輸血用血液の備蓄体制の構築や、航空機による患者の救急搬送を行っている沖縄の民間団体への支援など、離島の医療体制の整備を協力して推進していくことを確認した。

 【奄美群島社会教育振興会】(会長・森田弘光天城町長)新年度事業計画など4議案を可決。今年度は11月19日に、第19回「大島地区生涯学習推進大会」を喜界町(町体育館)で開催する。

 隔年で実施の同大会。21年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期していた天城町大会を、最終的に中止した。22年度大会は、喜界町でシンポジウムや舞台発表を行い生涯学習のあり方を展望。大会テーマには「奄美のよさを生かした、人づくり、つながりづくり、地域づくり」を掲げた。

 22年度収支予算は約538万円を計上。24年度大会開催地には和泊町を選定した。

 【鹿児島・喜界・知名航路運営協議会】(会長・隈崎悦男喜界町長)航路補助金を含む22年度事業計画など4議案を可決した。

 奄美海運㈱の22年度補助対象欠損額は約9億4174万円。国が約6億7598万円、県が約2億6461万円、同協議会が約115万円を補助する。

 同社の21年度航海実績数は、前年度比14回減230回。コロナ禍での旅客減少や貨物運賃による収益減が響いた。22年度は、前年度比29回増の259回の航海を計画。88%の就航率を目指す。

 【奄美群島大島紬振興対策協議会】(理事長・牧雅彦本場奄美大島紬協同組合理事長)21年度決算報告があり、22年度事業計画を可決した。

 21年度は、長崎税関へ提出の本場奄美大島紬商標登録を更新。大島紬従事者数の実態調査などに取り組んだ。

 21年3月末現在、全国の大島紬従事者は群島外22人を含む計594人(男122人、女472人)。平均年齢は70・9歳(男69・9歳、女71・2歳)だった。

 22年度は、実態調査や振興策、後継者育成補助などを継続。大島紬模倣品などの摘発や取締を進め、不正紬を検査できない受検環境づくりに努める。

 【奄美群島広域事務組合】(管理者・安田壮平奄美市長)臨時議会を開き、22年度奄美TIDAネシア基金特別会計補正予算と教育委員会委員の任命の2議案を審議した。

 同会計補正予算は、米国カリフォルニア州トーレンスで9月3日に開催予定の「南カリフォルニア奄美会 観光物産展」に出品する物産品の購入費と奄美芸能ショーの出演者の派遣費計300万円を計上した。物産展では、世界自然遺産など奄美の観光PRを展開、海外での観光・物産などのビジネスチャンスの拡大を図る。

 教育委員の任命では、村野巳代治・宇検村教育長を同組合の教育委員に任命した。

 【奄美群島航路対策協議会】(会長・安田市長)定期総会を開き、21年度業務報告および決算、22年度事業計画および予算など5議案を可決、任期満了に次期役員の選任では、現役員の再任を承認した。

 奄美群島への入込客数の推移では、19年度に89万1千人だった入込客数が新型コロナウイルスの影響で20年度は51万7千人に減少したことを報告。22年度の事業計画では、航路対策として群島内港湾施設の整備を推進、航空路対策では路線の維持・充実などに取り組むことを確認した。

 また、鹿児島・沖縄航路のフェリー入港時などに行っていた各島を代表する音楽の船内放送を再開することなどを要請することを決めた。近く、同航路を運航する2社に対し、同協議会として要望書を提出する。

 【奄美群島排出油等防除協議会】(会長・樋口則一奄美海上保安部長)役員会を開き、21年度事業報告と22年度事業計画を承認した。22年度は奄美、沖永良部、与論の3支部で総会を行い、排出油防除のオイルフェンス展張訓練などを行う。

 【奄美群島地区海難防止活動推進連絡会議】(会長・奥田忠廣奄美群島水産振興協議会長)海難事故の発生状況及び21年度の活動報告と22年度の活動計画を協議した。

 マリンレジャー中の海浜事故では、17年~21年の5年間で61人(死亡27人、行方不明2人)が事故に遭った。うち観光客は33人で島内在住者は28人。事故の種別では遊泳中が33人で最も多く、スキューバダイビングと釣りが各9人と続いた。

 22年度活動計画では、北海道知床沖の遊覧船沈没事故を受け、船舶の海難事故防止に向けた活動などを展開する。

 【海上保安協会奄美支部役員会】(支部長・安田市長)21年度事業報告及び決算と、22年度事業計画および予算を承認した。22年度活動計画では、緊急通報「118番」の周知活動など普及啓発を図る。