JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は、5月の大島地区子牛セリ市結果をまとめ公表した。子牛市況は、総平均が前回(3月セリ)比1万8309円安い61万7095円となり、今回も雌・去勢を含めて下げ相場となるなど下落が続いている。
今回のセリは6日の与論市場を皮切りに、22日の喜界市場まで開催。新型コロナウイルス感染者が確認されたため、セリ市開催における安全性を考慮、喜界でのセリ市は当初の12日から22日に延期となった。
全体の入場頭数は1899頭(雌748頭、去勢1151頭)で、全て売却。平均価格は雌54万4590円(前回比2万6116円安)、去勢66万4214円(同2万1080円安)となった。
合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の64万1723円を筆頭に、沖永良部、奄美大島、徳之島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価で市場を格付けすると、沖永良部の2471円(キロ当たり)を筆頭に、与論2350円、徳之島2257円、奄美大島2212円、喜界1862円の順。セリ日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、沖永良部250日、奄美大島259日、喜界262日、徳之島263日、与論265日の順となっている。
今回の市況結果について同駐在は「3年ぶりに移動制限のないゴールデンウィークということもあり、ゴールデンウィーク明けの枝肉相場の上昇に期待されたが、期待したほどの値動きはなく、中旬以降は軟調気味に推移している」と指摘。コロナ禍や原油高騰、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、飼料が高騰しており、肥育農家の経営を圧迫し、資金繰りに苦慮している状況にあるという。
こうした状況で中旬以降、全国的に子牛相場が大幅に下落。与論から奄美大島までのセリ市ではあまり影響を受けなかったものの、「喜界については、22日に延期したため、影響を受けてしまった」(同駐在)としている。
子牛価格が下落するときには、枝肉重量の見込めないような子牛(多産牛、血統の古いもの、体高のないもの、発育遅滞しているもの)については特に大きな下落幅となるという。一方、産歴が若く、発育良好(フレームのしっかりとした牛、前躯・腹袋の充実した牛)については引き合いが強く、高値で取引されていることから同駐在は「今一度、購買者の求める、欲しい子牛づくりを見つめ直し、高値で取引されるような子牛が上場できるよう努めてほしい」と呼びかけている。