淡交会奄美支所 約2年ぶり開催

参加した亭主と招待者により和やかに会は進められた(29日、奄美文化センター)

コロナ収束と大島紬継承に願いを込め

 茶道裏千家淡交会奄美大島支所と同青年部は29日、奄美市名瀬の奄美文化センター2階茶室で「紬園遊茶会」を開いた。新型コロナウイルス感染拡大を考慮し、2020年以降中止してきた同会に、有村修一支所長、福山敏裕副支所長他、30年支所長を務めた渡博文名誉支所長らが出席。京都からの招待者もいる中、大島紬の伝統がこれからも続くことが願われた同会が、その願いとともに和やかな雰囲気で進められた。

 同支所は、1972年に、(一社)茶道裏千家淡交会の支所として設立。現在の会員数は約50人で、青年部は5人。2020年以降中止していた同会だが、昨年末の役員会で、福山副支所長からコロナ対策を留意した再開の提案があり、今回の開催となったという。

 同会は、大島紬の伝統継承に願いを込められた会ということもあり、亭主(同会会員)側のほとんどが同紬の着物などに身を包む中、会員の一人がお点前を披露。続けて、招待者には茶や菓子が運ばれた。

 この日の茶会は、午後0時半より5席開催。1席目のあいさつで高野さやか幹事長は、床の間に掛けられた、千利休のお墓がある京都・大徳寺の了庵和尚が書した「雲去青山露」(くもさりてせいざんあらわる)と書かれた掛け軸を紹介。「隠されていたものが露呈する」とその意味を紹介し、「この時期であれば、コロナが去ることを願った言葉」と思いを語った。

 弟の川崎陽斗さん(14)と参加した川崎僚太さん(16)は、「2年以上ぶりの参加だったが、穏やかな雰囲気の中、落ち着いた気持ちで作法が出来た。次回も参加したい」と話した。

 次回は11月6日の開催を予定しているという。