ゼロカーボンへ一歩

記念写真におさまる一行。両町長は唯一の法被姿で、地元のPRも余念がなかった

喜びの表情の出席者。左から、一社サステナブル経営推進機構の壁谷武久専務理事、前和泊町長、今井知名町長、リコージャパン(株)の髙橋卓也マーケティング本部自治体事業部事業部長

「脱炭素先行地域選定証」授与式
知名町などに

 【東京】千代田区で1日、脱炭素先行地域選定証授与式が開催され、今井力夫知名町長、前(すすめ)登志朗和泊町らが出席した。一行は、各地から集まった自治体に続いて舞台に登壇。山口壮(つよし)環境相から、晴れがましい表情で証書を受け取っていた。

 有楽町よみうりホール(有楽町1―11―1、読売会館7階)で行われた同授与式は、環境省が4月26日に2030年度までに二酸化炭素の排出量ゼロを目指す「脱炭素先行地域」26件の計画提案を選定、それを対象にした第1回。知名町に和泊町、リコージャパン(株)、一般社団法人サステナブル経営推進機構が共同提案者となり、4者で進める「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」が、国の「お墨付き」をもらったもの。「全国のモデルとなるよう期待している」の山口環境相あいさつなどの後、選定証授与へ。14番目に登壇した一行は、晴れやかな表情で選定証を受け取った。

 「小さな島の取り組みだが、やがて全国へ、世界へ広がるようにしたい」(今井町長)。「新しい価値観の中で、生まれ変われるチャンスだ」(前町長)。それぞれ方言のあいさつで沸かせたのち、笑顔で語った。

 晴れの舞台を、知名町企画振興課の地球温暖化対策専門職に所属(サステナブル経営推進機構からの出向)する乾大樹さんが見守っていた。乾さんは、同機構ではエネルギー調査などに従事、共同提案に貢献した。「リコーさんは自治体に強く、うちは分析が得意、それに両町が歩みを合わせ一つになって、島モデルが出来上がった」と説明した。

 ゼロカーボンアイランド実現に向けた取り組みは、2020年9月に知名町が「気候非常事態宣言」し、21年に小型風車・観光用EV車両導入事業を展開。同年、知名町・和泊町が地域住民向け脱炭素講習啓発事業などを実施。22年1月に和泊町が「ゼロカーボン宣言」をして、今回の4者による提案につながっている。

 「今日がスタート地点だ」と町長らが口元を引き締める、ゼロカーボンへの道程。この夏からは、沖永良部高校用EVバイクを両町にそれぞれ100台導入するなど、着実な歩みが始まりそうだ。