観光物産連 リスクマネジメント研修

ツアーガイド事業者の「安心安全」の実践方法を伝える野元尚巳さん

ガイド事業者など対象に
「安心安全」の実践を学ぶ

 (一社)あまみ大島観光物産連盟は30、31日、ガイド事業者などを対象とした「ツアーガイド等におけるリスクマネジメント研修」を開催した。場所は、奄美市、龍郷町、大和村の3会場。講師に、鹿児島県でシーカヤックなど主催する野元尚巳さん(64)が登壇。ツアーにおける安全管理、内部規定、法的責任など「安心安全」なツアープログラムを構築する際の考え、基本を学んだ。

 野元さんは、鹿児島市でシーカヤックによるツアーを主催する「かごしまカヤックス」の代表を務めるとともに、奄美群島トレイル・サイクリングルートの設定に関わるなど、国内外の自転車、登山遠征でも活躍。2018年に開催された同研修に引き続き、今回講師を務めた。

 31日の同市住用公民館では17人の受講者が参加。ガイド事業者をはじめ、今後ガイド業を希望する参加者らが、研修前半はリスクマネジメント全般を学び、後半は質疑応答の時間に充てられた。

 研修冒頭に野元さんは、野外ガイドの楽しさとともに「挑戦」「冒険」「無謀」の違いを説明。そして、リスクマネジメントとは「あらゆる危険の可能性を把握して事故が起こらないようにする」こととし、プロアマ問わない「責任」と「覚悟」が伴うことを伝えた。

 前半は、▽事故発生時の各責任▽自己責任と公的責任▽自己投資の必要性▽各書類・日報などの準備▽傷害保険・損害賠償保険の加入▽催行判断▽資格取得・講習受講の必要性―など多岐にわたったリスクマネジメントに関する考え、対策を説明。そして「ガイドは尊敬され、見習われるべき存在であるべき」と伝えた。

 後半では、各参加者による質疑応答の時間に充てられ、各質問に対し野元さんが回答。実際に観光客を対応した際に起きた事例などに対し、一つひとつ丁寧に対応方法などを説明。研修最終日を無事終えた。

 宇検村屋鈍から参加した髙島聡二さん(50)は「ツアーガイドの兼業を検討しているが、現在営んでいる洋菓子の製造・販売といった食品業界にも通じる危機管理について学べた」と話した。