「天城町防災アプリ」

4月から運用開始、町民に好評の「天城町防災アプリ」(トップ画面)

音声・文字でリアルタイム配信
「SOS送信」機能も 導入運用2カ月

 【徳之島】天城町はスマートフォン活用の「天城町防災アプリ」の配信(無料)を4月から開始。音声と文字によるリアルタイムの防災・行政情報や防災マップ連動の避難所、津波・土砂災害警戒区域などを表示。町民自身のGPS位置情報を含む「SOS送信」機能も備えた優れものだ。奄美群島自治体で初導入され2カ月、インストール数は493件に上っている。

 同町総務課(防災対策係とデジタル推進係)によると、甚大な災害が近年多発傾向にある中、町防災無線の情報配信機能をより強化しようと検討。ICT(情報通信技術)ネットワークを活用した「防災アプリ」の存在を知り、全国の先進導入団体のアプリをダウンロードして有用性などを調査研究した。

 導入の決め手となったのは「災害警戒時などの避難所の開閉状況、その位置情報などが確認できる機能」。国の2021年度地方創生事業を活用、町行政情報配信ポータルアプリ構築事業(事業費約935万円)で整備。4月から運用を始めていた。

 同アプリの主な機能は、▽防災地図(避難所、一時避難場所、津波・土砂災害区域など)▽災害体験AR(拡張現実=実在の風景に津波などバーチャルの視覚情報を重ねて表示)▽AED(自動体外式除細動器)配置地図▽防災ポータル(町内の避難所や雨量計、河川水位、気象・地震関連情報など)▽SOSメッセージ(スマホGPS情報発信)▽お知らせ(役場からの行政・防災情報を文字と音声でリアルタイム提供)など。

 「お知らせ」機能では、町内の新型コロナウイルス感染者の確認数も日々速報して警戒を促している。防災面では1、2日、梅雨前線に伴う大雨や落雷、突風などへの警戒を〝スマホ地震・津波など緊急速報メール〟同様、緊張感を高める音声でまず通知。防災関連では初の情報提供なった。

 同課防災対策係とデジタル推進係の両担当者は、「今後はより多くの町民の方にインストールしていただき、防災無線・行政告知放送と合わせた情報配信ツールに。災害時は迅速な避難行動につなげたい」と話した。