チェック項目挙げ対策周知

新型コロナ 部活動など集団生活感染で県

 県内の新型コロナウイルス感染は、大型連休後も学校や家庭などでの感染が続いており、新規感染者数は依然として高い水準で推移しているものの、緩やかな減少傾向もみられるようになった。しかし学校や高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が発生しており、県はホームページを通し最近の感染事例からみる感染対策チェック項目を挙げ=写真=、周知を図っている。

 6月定例県議会が開会した2日、塩田康一知事は提案理由説明の中で感染状況を報告。それによると県内では、3月下旬以降、新規感染者数が急激に増加に転じ、4月に入ってからは鹿児島市をはじめとする都市部を中心に感染が拡大したことに伴い、4月26日には過去最多となる974人の新規感染者が確認された。

 新規感染者数が高止まりしている一方、現在の病床使用率はおおむね30%前後で推移。5月30日現在で重症患者はゼロ、酸素投与の必要な中等症Ⅱの患者は37人であり、知事は「現時点では、医療提供体制がひっ迫しているという状況ではない」との認識を示した。

 しかし今後もこのまま新規感染者数が高い水準で推移した場合、感染リスクの高い高齢者や基礎疾患を有する人への感染拡大も懸念され、重症者の増加や医療提供体制への影響が懸念されている。知事が重視するのが高齢者施設や、感染が多い児童施設、学校などでの感染防止対策。特に学校について知事は「部活動やサークル活動、宿舎などでの集団生活に伴う感染が多く確認されていることから、これらの場面で感染が拡大しないよう、各学校や関係団体等に対して、感染防止対策の再徹底についてお願いした」と述べた。

 学校の部活動・スポーツ大会での感染対策チェックを県はホームページに掲載。その中では、チェック項目①=休憩中、食事のとき、マスクなしで会話していませんか?▽チェック項目②=着替えやミーティングのとき、マスクを外していませんか?▽チェック項目③=部屋・更衣室で、窓を閉め切っていませんか? 移動のとき、他人と密着していませんか?▽チェック項目④=「熱はないけど喉が痛い…」「風邪気味かも」こんなときでも部活や大会に参加していませんか?―の4項目を挙げている。「実際の感染事例から、主に四つの原因が考えられる」として、日々の行動を振り返りながら感染対策チェックを呼びかけている。