ウミガメミーティング

講話では、調査内容の元、奄美に上陸、産卵するウミガメの実態が報告された(4日夜、奄美海洋展示館)

2日夜に上陸したアオウミガメの足跡を参加者に示す興克樹会長(同、大浜海岸)

アカウミガメ産卵回数減など報告
海洋生物研・大浜海岸で観察会

 奄美海洋生物研究会(興克樹会長)は4日夜、「2022年第1回奄美大島ウミガメミーティング」を、奄美市名瀬の奄美海洋展示館と大浜海岸で開催した。昨年、一昨年と新型コロナウイルス感染拡大を考慮しオンライン開催となった同ミーティングに、家族連れら約50人が参加。講話によるウミガメの基礎知識、調査報告だけでなく、海岸に残された足跡、産卵跡を追う観察会を実施。奄美におけるウミガメの生態、上陸、産卵状況などについて、様々な角度から学べる3年ぶりの対面ミーティングとなった。

 同会は、ウミガメの保護や調査を目的に12年に設立。毎年、県や市町村の関係機関、地域住民らと生態調査を実施。同ミーティングは設立当初から開始され、今回で35回目を迎えた。

 講話では、奄美で産卵するウミガメについて、その特徴や生態の詳細を21年度の調査などをもとに説明。産卵回数に関し、安定したアオウミガメに対し、アカウミガメは、13年の663回をピークに減少傾向と報告。その原因は明確でなく、今後も動向は読めないとした。また、徹底した法規制の元でウミガメを保護しているハワイの事例を挙げ、奄美でも環境省の指導の元、シュノーケリングルールを策定中とした。

 観察会は、大浜海岸に移動し実施。ウミガメは見られなかったが、興会長の誘導の元、今月2日に上陸したというアオウミガメの足跡と産卵痕跡を確認。参加者たちは、遮光ライトを照らしながら、一つひとつゆっくりと観察していた。

 今回初参加の大司綾子さん(53)は、「産卵30、40年後に子ガメが戻ってくる話と、ウミガメたちの足跡が残っている海岸そのものに素晴らしさを感じた」と話した。

 今年の同ミーティングは全3回を予定。7月の観察会では、龍郷町の安木屋場で産卵の様子を、8月は大和村の国直海岸で、孵化を確認したいとしている。