消波ブロック内ごみ回収

名瀬港内に設置された消波ブロック内のごみ回収が昨年に続き行われた(提供写真)

長年放置されたごみは量が多く、作業の難しさもあり継続した取り組みが必要となっている(提供写真)

奄磯連、昨年に続き
深刻さあらためて痛感「行政含め関心持って」

 奄美磯釣連盟(久野博会長)は5日、各クラブに分かれ奄美大島で一斉に清掃活動を行った。奄美市名瀬地区では昨年に続き名瀬港内御殿浜公園前の消波ブロック内ごみを回収。海と護岸の間にある大型ブロックの下には長年の放置を示すかのように多くのごみが堆積しており、参加者からは「いろんな団体と協力して取り組まないと全てを回収できない。こうした目につきにくい部分の問題、深刻さにも関心を持ってほしい」との声があがった。

 名瀬地区の清掃活動には午前7~8時まで1時間の作業に37人(8クラブの会員32人、会員以外の一般5人)が参加。梅雨空でどんよりとした雨雲が広がったが、降雨はなく予定通り作業が進められた。

 約30㍍に渡っての作業では、参加者は潜るようにブロック内に入り込み一つ一つ手作業で回収。発泡スチロール、瓶、缶、ペットボトル、プラスチック製品、流木などが回収されたが、割れたガラスを袋に入れて投げ込んだ悪質なものもあったという。

 回収量は120㍑の業務用ごみ袋約120袋分。名瀬港を管理する県大島支庁建設課の協力で回収ごみは処分される。久野会長は「今回、ボランティア清掃の話を聞いて会員以外の5人が参加し、このうち1人は高校生で若い人も関心を持っていただきありがたい。日曜の早朝にもかかわらず多くの会員の参加に感謝したい」と述べるとともに、問題の深刻さを指摘。「人手が足りず、まだまだ回収できていない。世界自然遺産に登録された島だけに、ごみのない環境を保つ必要がある。こうした目につかない部分の深刻さを行政含めて多くの団体・人々が関心を持ち、官民が一つになって継続して改善に取り組むことができたら」と語った。

 長年の放置を示すように、ぼろぼろになったプラスチックごみも。湾内にあることからマイクロプラスチック(5㍉以下に微細化)として海に流れ出し、海洋汚染を招く恐れもあり、早期回収が求められそうだ。

 なお名瀬地区以外では、龍郷町3クラブで河川草刈り清掃、瀬戸内町・大和村はそれぞれ1クラブで海岸清掃が行われた。喜界島、徳之島にあるクラブも後日、清掃活動を行うという。