今年度以降の回復に期待が寄せられる奄美市笠利町の県奄美パーク
奄美市笠利町の県奄美パーク(宮崎緑園長)はこのほど、2021年度の入館者実績をまとめた。奄美の郷と田中一村記念美術館をあわせた入館者数は前年度比20・6%増の6万9167人。コロナ禍前(19年度)と比べて5割水準も、年度末にかけては客足も戻りつつあり、今年度の回復に期待がかかる。
入館者数の内訳は、奄美の郷が4万3264人(前年度比17・9%増)、田中一村記念美術館が2万5903人(同25・5%増)。19年度の入館者数は約12万9千人で過去最多となったが、20年度は緊急事態宣言などの影響で約5万7千人まで減少。21年度は1万2千人増えたものの、コロナ禍以前と比べて落ち込みが続いている。
21年度はまん延防止等重点措置などが断続的に出され、2回の長期閉館(8月20日~9月30日、1月4日~2月28日)に追い込まれるなど、休館は延べ3カ月間に及んだ。予定していた20周年記念行事も延期。相次ぐイベントの中止が響いた。
入館者を月別でみると、4~7月などの計8カ月で増加に転じ、残り4カ月で前年を下回った。感染者数の落ち着いた10月(9587人、前年比24・8%増)、11月(1万3509人、同13・3%増)、12月(1万1885人、同51・5%増)の3カ月間で計3万4981人と全入館者の半数を占めた一方、感染者数が急増した8月(5070人、同7・6%減)や1月(1171人、同48・9%減)が落ち込み、閉館した9月と2月は入館者数がゼロとなった。
同園によると、21年度3月は7568人(前年度3・9%増)、22年度4月は8891人(同56・3%増)と年度をまたぐように入館者数は回復傾向にあり、好転へも期待がかかる。同園の福迫光能次長兼総務課長は「少しずつだが回復への兆しも見えてきている。いつ来館者が来ても歓迎できるよう、しっかりと準備を進めていきたい」と期待を込めた。