集落伝統「がやまき作り」

伝統のがやまき作りに挑戦する児童ら

 

 

集落一体になって作った「がやまき」を手に

 

 

大和村名音小 教え合いながら完成

 

 大和村の名音小学校(桑鶴直幸校長、児童18人)で11日、旧暦の端午の節句にちなんだ集落の伝統行事「がやまき作り」があった。児童や保護者、地元老人クラブ「むつみ会」など約40人が参加し、試行錯誤を重ねお互いに協力し教え合いながら完成させた。

 作業前に5・6年生はICTを活用しタブレットで「がやまき作り」のアンケートやインタビュー結果を発表。3・4年生はがやまきの作り方を動画で詳しく説明した。

 がやまきは、蒸したもち米を親指大の俵型に握りガヤ(ススキの一種)で包み、同じものを三つ作り束ねて糸で結ぶ。上級生らは慣れた手つきで作業、下級生らは保護者や教員に手伝ってもらいながら体験した。作った「がやまき」は玄関や軒下などに飾り付け、無病息災や健やかな成長、家族の幸せを願う。以前は奄美各地で見られたが、現在は同集落だけに残り、貴重な恒例行事になっている。

 手際よく作業する民歩和さん(4年)は「縄をなうようにするのが難しいが楽しい。玄関に飾りたい」と笑顔。

 奄美市文化財保護審議会会長で伝統行事調査のため訪れた島料理愛好家の泉和子さんは「名音集落にしかない貴重な行事。次の世代にぜひ、つなげてほしい。がやまきの作り方は難しかった」と話した。

 老人クラブむつみ会の勝島常雄会長(69)は「約30年続く名音集落の伝統行事。子どもたちは島の宝。子どもたちから元気をもらう活動を継続したい」と語った。