マイクロチップで生還した猫に喜ぶ武喜代美さん(左)
1日から国内で販売される猫へのマイクロチップ装着の義務化が始まったが、奄美5市町村では、先行して2018年から新規飼い猫への同義務化制度を導入している。奄美市名瀬仲勝町の武喜代美さん(74)の飼い猫(15)が7日、行方不明から2カ月目で無事保護された。「ボロボロになって戻ってきてまだ弱っているが、生きて帰ってきただけでうれしい。マイクロチップを装着してたおかげ」と喜びを噛みしめている。
マイクロチップは直径約1㍉・長さ約10㍉の筒状で、中に飼い主と猫の情報が登録されたICが入っている。猫の首後方の皮膚下に装着。保護された猫は読み取り機で得られた番号を基に、データベースに照合して飼い主が割り出される。
武さんは15年前に、生後2週間ほどの捨て猫を保護。以来15年間、家族同様に同猫を可愛がっていたという。「気が強くて私以外の人にはすぐ噛みつく。その割には甘えん坊で、トイレにも必ずついてくる」と目を細める。
行方不明の2カ月間は夫と近所の捜索や周辺への声掛け、捕獲器設置もしたが見つからなかった。諦めかけていた頃、マイクロチップから情報を割り出した名瀬保健所から、保護の連絡があったという。
武さんは、飼い猫が外に出て行方不明になったときには「すぐに行きつけの動物病院と保健所に連絡し相談すること。諦めずに捜索すること。そして一番大事なことは室内飼いを徹底することと、マイクロチップの装着」と、今回の捜索を振り返った。
龍郷町「奄美いんまや動物病院」の伊藤圭子獣医師は、「まず初動捜査が重要。室内猫は外に出ても遠くには行かない。いろんな対策があるので、すぐに連絡して欲しい。まずは外に出さないこと」と呼び掛けている。