「県美展奄美作家展」始まる

フロアトークで県美展賞受賞作品「やがて光になる」を解説する渡瀬さん

洋画や写真、秀作身近に
一村美術館 最高賞・渡瀬さん作品など21点

 県美展で入賞入選した奄美関連作品を集めた「第68回県美展奄美関連作家展」が12日、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館企画展示室で始まった。会員の部で最高賞の県美展賞に選ばれた渡瀬俊輔さん(39)=奄美市名瀬=の洋画「やがて光になる」をはじめ、日本画や写真など各部門の秀作21点を展示。選りすぐりアートが見る人の目を楽しませている。

 県美展は、洋画、日本画、彫刻、工芸、デザイン、写真の6部門で構成する県内最大級の美術展。同企画展示室には、同展で入賞入選した奄美の作家作品20点と田中一村記念美術館賞1点の計21点を展示した。

 初日のこの日は受賞作家らが来場し、写真家の稲光政さん、地区運営委員で画家の久保井博彦さんの案内でフロアトークを開催。込めた思いなど、作者自らが作品を解説した。

 県立大島養護学校教諭の渡瀬さんの作品は、アクリル画50号の大作で、2年かけてモノクローム調の絵に奄美の動植物などを繊細に配置。講評では「モノトーンの秀作、見飽きぬ密度の高さに画面から目が離せない」と評価された。

 白と黒の構図にこだわったという渡瀬さんは「時間がかかっている絵で期待はあったがまさか県美展賞をとは」と喜び、「受賞は励みになる。(次回作へは)モノクロ作品を突き詰めていきたい」と話した。

 同展は7月3日まで。観覧無料で、開館時間は午前9時~午後6時(15日休館)などとなっている。