県議会一般質問

国と共同で武力攻撃想定も 離島での国民保護訓練来年度、屋久島町で

6月定例県議会は13日、引き続き一般質問があり、同日は岩重仁子議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、鶴田志郎議員=自民党、肝属郡区=、中村素子議員=自民党、阿久根市・出水郡区=、吉留厚宏議員=自民党、いちき串木野市=が登壇。鹿児島県の国民保護計画の取り組みでは離島における国民保護訓練に関する質問があり、国が昨年度から各都道府県と共同で武力攻撃が予測される事態を想定した重点訓練を実施している中、県内の離島でも実施する方針が示された。

マイクロチップ装着義務化 講習会など通し周知

長島和広・危機管理防災局長は答弁で「本県の国民保護計画では国民保護措置を的確・迅速に実施するにあたり、数多くの有人離島を有する本県の地理的特性に配慮することとしている」と説明。これに基づき離島での国民保護訓練は、これまでにテログループ襲撃などを想定した訓練を口之島・下甑島で、弾道ミサイルの飛来を想定した訓練を徳之島で実施している。

また、国が各都道府県と共同で行っている武力攻撃を想定した重点訓練については「来年度、屋久島町において図上および実動訓練を国と共同で実施する」と説明。今年度はその準備として1月に図上訓練を実施するとした。

食料安全保障について塩田康一知事は「世界的な食料需要の拡大、自然災害や地球温暖化による影響に加え、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢等により、食料や生産資材の多くを海外から輸入依存しているわが国にとって、食料安全保障上のリスクは高まっている」との見解を示した。その上で「国内における農業生産を増大させることに基本に、輸入や備蓄を適正に組み合わせることにより食料安全保障を確立させることが重要」と述べた。

人と動物の共生社会づくりに向けて動物愛護管理推進計画に関する質問があった。改正された同計画では数値目標を掲げており、▽犬、猫の譲渡率70%以上▽殺処分数を350匹以下、このうち譲渡適正のあるものはゼロとする―といった内容。房村正博・くらし保健福祉部長の答弁では21年度状況が報告された。それによると、犬、猫の譲渡率74・2%、殺処分数411匹で、このうち譲渡適正があったものは猫55匹、犬はゼロだった。同年度から新たに地域猫理解促進やミルクボランティアへの支援など取り組んでおり、房村部長は「地域猫活動を行っている4団体に対し、不妊去勢費の補助を行うとともに、ミルクボランティア子猫と合わせて104匹の譲渡につながっている」と述べた。

マイクロチップ装着の推進(今年6月1日以降、取得した犬、猫へのマイクロチップ装着と環境大臣への情報登録が義務化)については、一般の飼い主に対して講習会などを通してマイクロチップの装着と情報登録の周知を図るとともに、動物愛護センターで譲渡する犬、猫へのマイクロチップ装着と情報登録が実施されていることが説明された。21年度実績は犬50匹、猫159匹となっており、県では各保健所にマイクロチップの読み取り機械を配備、保護した犬、猫の登録情報を確認している。