県議会一般質問

「今後も体制維持強く要請」
離島からの自衛隊ヘリ急患搬送
奄美地区での血液製剤安定供給 日赤出張所が「望ましい」

 6月定例県議会は14日、引き続き一般質問(最終日)があり、柴立鉄平議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、松里保廣議員=自民党、西之表市・熊毛郡区=、大久保博文議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、大園清信議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。離島からの自衛隊ヘリによる救急患者搬送について今後も鹿屋航空基地からの出動を基本とした体制維持を強く要請していることが説明された。

 長島和広危機管理防災局長の答弁によると、離島からの急患搬送について昨年11月に知事が防衛大臣に対し今後も体制維持を要請、今年2月の馬毛島に関する防衛大臣との意見交換の際にもあらためて知事が直接要請。担当部局も昨年10月、今年2月に防衛省を訪問し要請を行っている。長島局長は「離島急患搬送は県民の命に関わる重要な問題であることから、防衛省に対し搬送体制が維持されるよう引き続き要請したい」と述べた。

 馬毛島への基地整備、鹿屋基地への米軍無人機配備と安全保障に関する課題を鹿児島県に求めている中、再質問で防衛省に対する知事の強力な姿勢が注文された。塩田康一知事は「これまで防衛省には大臣を含めて要請しているが、防衛省の方では『自衛隊全体としてしっかりと取り組んでいく』とのことだった。今後も防衛省に対し、(現状維持を求めて)しっかりと要請していく」と述べた。

 奄美大島の医療課題では、輸血用血液製剤の安定供給に向けた取り組みが挙がった。房村正博・くらし保健福祉部長の答弁によると、2018年3月に奄美大島の血液製剤備蓄所が撤退し、血液製剤の安定供給が課題に。県では血液の安定供給の責務を有する県赤十字血液センターに対し、必要な対応を求めている。血液センター、県立病院局、地元医療機関、自治体等で構成する検討会を昨年5月に開催し、血液センター出張所の設置、ブラットローテーション(血液の返品再出庫)の実施や出張所の設置場所として県立大島病院を活用することについて協議。房村部長は「引き続き関係機関と検討を行い、課題解決に取り組む」と述べた。

 この問題については県立病院局の福元俊孝・県立病院事業管理者も答弁。「血液製剤の安定供給は日本赤十字の責務であり、県赤十字血液センターによる出張所設置こそが大島地区にとって望ましい供給体制であると考えている」とした上で、「血液センターによる出張所の設置は人員や経費の面で困難であるとのことだが、設置場所として大島病院内を提供することはやぶさかではない。また、運営にかかる諸課題について大島地区全体の課題として血液センターをはじめ地元自治体、医療機関と引き続き検討を進めるなど課題解決に病院局一丸となって取り組む」との決意を示した。