ミカンコミバエ誘殺相次ぐ

今年度に入り奄美群島で誘殺確認が続いているミカンコミバエ(資料写真)

天城町、宇検村で1匹ずつ 発生国から風による飛来か

県経営技術課は15日、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの誘殺が天城町、宇検村で1匹ずつ確認されたと発表した。今年度に入り奄美群島での確認は瀬戸内町加計呂麻島(5月23日に1匹)に続いてと誘殺が相次いでおり、警戒が求められそう。

発表によると、今月13日、設置されている調査用トラップで天城町(松原西区)1匹、宇検村(湯湾)同の雄成虫の誘殺が確認された。県内における今年度の誘殺数は3町村計3匹で、いずれも奄美群島となっている。

新たな確認に伴い国、県および地元自治体が連携して、国のマニュアルに基づき初動対応が進められている。今回の誘殺要因について農林水産省門司植物防疫所は「奄美群島では1週間に1回、調査用トラップで誘殺確認が行われているが、今月6日の調査から1週間後13日の調査までの間に発生国(台湾、中国南部など)から、前線(奄美地方周辺に停滞)に向かって風の吹き込みが確認されており、その風によって飛来したのではないか」と考察している。

誘殺確認を受けての初動対応内容は次の通り。

【トラップ調査】天城町および隣接する徳之島町では、誘殺地点から半径5キロメートル円内の既存トラップ10基に加えて、10基を増設(計20基)。

宇検村では、誘殺地点付近の既存トラップ12基に加えて半径5キロメートル円内に23基増設(計35基)。

いずれも調査開始後2週間は週2回の調査を実施。

【寄生果実調査】誘殺地点から半径2キロメートル円内の庭木や家庭菜園などの寄主果実(スモモ、トマトなど)を採取し、5日間程度保管後、幼虫の有無を確認。

1回目採取日は天城町、徳之島町、宇検村とも今月15日。2回目採取日は3町村とも今月28日。

【誘殺板による防除】誘殺地点から半径2~5キロメートル円内およびその周辺に、誘殺板(テックス板)を設置。天城町、徳之島町は14日に1000枚、宇検村は15日に500枚。

【ベイト剤散布】誘殺地点から半径50メートル円内を中心に散布。天城町、宇検村とも15日に実施。