奄美市パッションフルーツ品評会

色むらや傷などの外観を、一つずつ丁寧に確認する審査員

金、銀、銅賞に輝いた、森永さん(中央)、金城さん(右)、日髙さん(左)の3人

森永さんが金賞、最高糖度
銀賞・金城さん、銅賞・日髙さん
「食べやすい出来栄え」

 2022年度奄美市施設パッションフルーツ品評会(奄美市主催)が16日、同市名瀬浦上町の県農業開発総合センター大島支場で開かれた。市内の生産者16人(名瀬10人、笠利6人)が出品、金賞に同市名瀬小俣町の森永幸二郎さん(40)、銀賞に同市名瀬西仲勝の金城良洋さん(40)、銅賞に同市名瀬小湊の日髙千夏さん(41)がそれぞれ輝いた。金賞を受賞した森永さんのパッションは、糖度が一番高く、外観も美しいと評価された。森永さんは「久しぶりの金賞で、素直にうれしい」と喜んだ。

 品評会は、同支場の尾松直志支場長が委員長を務め、同市や県大島支庁、JAあまみの担当者ら5人の審査員が、ルビースター品種のL規格(80㌘以上~100㌘未満)について、外観と糖度などを審査。甘酸っぱくさわやかな香りがほのかに香る会場で、色合いや玉ぞろい、傷の有無などを一つ一つ確認した。

 今年のパッションフルーツは、1・2月の気温が低かったこと、日照時間が短かったことにより、生育が緩慢で開花期になっても枝の伸長が遅れているものが見られた。果実肥大期の日照不足の影響が心配されたが、例年と比較し糖度は差がなく、酸度は低く、トータルでは食べやすい出来栄えという。出品果実の糖度は平均17・41度(最高18・3度)、酸度は平均1・29%だった。

 審査委員長を務めた尾松支場長は、金賞の森永さんに「糖度がダントツに高く、外観も美しく高評価だった」、銀賞の金城さんに「内部・外観とも高い評価。3年連続銀賞は常に高い品質を維持している」、銅賞の日髙さんに「外観の評価が一番高く、品物を見る力がある」と講評し、「来年度も同じように高い品質のパッションフルーツを作ってください」と述べた。

 金賞を受賞した森永さんは「今年は全体的な生育は良くないが質は良い。金賞は久しぶりの2回目、去年は銅賞だったので素直にうれしい」と喜びを口にした。

 金城さんは「金賞が欲しく頑張ったが、また銀賞だった。実力は拮抗している。見えない部分の努力の差」と3年連続の銀賞に胸を張った。

 銅賞の日髙さんは「4位が多く、なかなか入賞できず諦めかけていたが、努力してきて良かった」と喜んだ。

 市農林水産課によると、21年度実績の施設パッションフルーツ栽培農家戸数は59戸、栽培面積7・2㌶、生産量70・3㌧で、生産量は前年を下回った。