参院選鹿児島選挙区

選挙戦突入へ準備に追われる立候補予定者の事務所(一部加工してます)

決戦へ最後の準備
各陣営、対応追われる 支持拡大へアクセル

 第26回参院選挙が22日公示(7月10日投開票)される。鹿児島選挙区(改選議席数1)に名乗りを上げる現職1人、新人5人の計6人の陣営は決戦前日の21日、支援者へのあいさつ回りや期間中の日程調整など最後の準備や対応に追われながらも「いよいよ決戦だ」と、支持拡大へアクセルを踏み込んでいた。

 鹿児島選挙区には、自民党現職の野村哲郎氏(78)、立憲民主党新人の柳誠子氏(61)、NHK党新人の草尾敦氏(53)、政治団体「参政党」新人の昇拓真氏(31)、無所属新人の室園順一氏(78)、無所属新人の西郷歩美氏(37)が立候補を予定。過去最多の計6人が出馬の意思を示している。

 鹿児島市内にある陣営の事務所では、盤石のスタートを切ろうと候補者が後援会幹部らと念入りに打ち合わせをしていた。支援者が出入りするなか、期間中に配布する宛名書き作業など、慌ただしい雰囲気にも包まれていた。また、事務所前には選挙看板などを掲げ、選挙カーもスタンバイ。決戦へのムードを高めている。

 今回の選挙は混戦模様も、4選を目指す自民現職に5氏が挑む与野党対決の構図。現職へは年齢の高さを懸念する声もあるが、これまで精力的に県内各地を回り国政報告会を開いてきた。後援会幹部は「3期18年、農政中心に取り組んできた。こんな時代だからこそ政策にできる政治家が必要だ」と訴えた。

 一方、対する新人側は岸田政権下で急速な円安やガソリン、食料品などの価格高騰に歯止めがかからない現状に対し、「物価高と低賃金のダブルパンチで、多くの国民が苦しい生活を余儀なくされている」と指摘、「岸田政権は物価高に有効な対策を打つことができていない」などと批判、低所得者の生活支援などを訴え、支持拡大を図っていく狙いだ。

 ただ、ある新人の陣営幹部は、5人の新人が挑むことについて、「現職有利に働く可能性もある。選挙期間中にどれだけ知名度を上げられるかがカギとなる」と乱立を懸念した。

 公示を翌日に控え、6陣営の多くは、出陣式を大票田の鹿児島市内で行う予定で準備を進めているが、支援組織を持たない一部の陣営では、立候補の動きを含め流動的な状況となっている