小学3~6年は、総合的な学習の時間で「伝えよう私たちの奄美」を学んだ(20日、阿室小中学校)
2021年度から県教育委員会「環境教育」研究指定校となっている宇検村の阿室小中学校(中村正治校長、児童生徒18人)で20日、「県研究公開 事前検証授業」があった。12月9日に県の教育関係者らを対象に開催される「研究公開」に向けた小学3~6年、中学生の各検証授業に、同校の児童生徒・教諭の他、県大島教育事務所、村教育委員会、(一財)自然環境研究センターの各職員が参加。ESD(持続可能な開発のための教育)の一環でもある同授業は、「稲作体験学習」などの環境学習に率先して取り組む、同校の特色を生かした内容となった。
小学3~6年の「総合的な学習の時間」で行われた「伝えよう わたしたちの奄美」は、これまでの「稲作体験学習」や他教科を通し育まれた、奄美の自然、文化、歴史、ふるさとに対する思いなどを表現、発信する方法を学び、さらに考えを深めることが目的。「自然グループ」「文化グループ」の二班に分かれ、宮城県、屋久島の交流校に向け、事前に作成した各人の記事に対し付箋紙で「いいね」「アドバイス」などの意見を互いに提示。教員、専門家らの意見も交え、思いを表現する方法を学んだ。
中学生は、音楽科の授業で「思いをシマの唄にのせて~創作シマ唄で『唄あしび』に挑戦~」をテーマに、シマ唄に込められた奄美の自然や文化、先人の思いを通し、ふるさとに誇りを持つとともに、今後、唄い継がれるシマ唄とは何かを考えた。授業では、①シマ唄鑑賞②太鼓の実技③タブレットを用いた「朝花節」の創作―などが行われた。
「アシャゲはなぜ集落にあるのか」をテーマにした富岡優くん(小5)は、「ノロが神酒(ミキ)を作る行事がアシャゲであることを知った。もっとアシャゲについて調べたいと思った」と話した。
「島口」を使った「朝花節」の創作に挑戦した後藤愛彩(あいさ)さん(中2)は、「最初は難しいと感じたが、詩を作ることができた。唄い継がれるシマ唄は『共感』にあると知った」と感想を語った。
両授業に参加した、同事務所の四本博彦指導主事は「阿室小中学校の環境教育は自然のことだけでなく『文化』を取り入れている。ぜひ、この点を研究公開時の参観者に伝えてほしい」と話した。