天城町・高校生視点で「平土野商店街の活性化を」

高校生視点のフィールドワークで、平土野商店街の活性化方策を探る樟南二高生たち=21日、天城町

樟南二高・商業科3年生ら

【徳之島】若い高校生の視点で商店街の活性化策を―。天城町にある樟南第二高校(牧園弘光校長)の商業科3年1、2組(特進クラス)の生徒ら48人は21日、地元町の依頼を受けた課題研究で「平土野商店街」活性化を探るフィールドワークを実施。柔軟な若い視点のアイデアや意見を町に提案する。

高校生らの若い発想力と行動力を生かして双方が協働、活力ある地域の創出などを目指し昨年4月、天城町当局と樟南二高で締結した包括的連携協定に基づく一環。同校工業科による町内集落用の金属製「ごみ回収ボックス」製作や、ごみ問題の啓発(紙芝居制作)などに続き2年目の今年度は、商圏拡散の空洞化などで活気が失われて久しい平土野商店街の活性化策の提案を町側が依頼した。

商業科3年1、2組の課題研究(週2時間授業)に設定。生徒たちは商業科の授業で学んだ知識の実践と形の実現を目指し、2~4人ずつで計10班(医療・観光・飲食・雑貨・企画・広告・教育・スポーツ・建築・環境班)を選択。事前調査などを進めてきた。

町商工会の駐車場(わっきゃが市場)であったフィールドワークの開会式。依頼者の森田弘光町長は、包括的連携の経緯や初年度事業・成果にふれながら「(2年目は)、平土野の活性化を若い目線で提案を。実現できるものは実現します」。神田浩生・町商工会長も「(店舗は)20年前の39%しか残っていない。平土野にあって欲しいものを提案。皆さんが将来島に帰った時に、平土野が良くなっているよう私たちも頑張ります」と要請。

生徒たちは各班に分かれて徒歩で地区内を巡視。商工会青年部の活性化対策「平土野アートプロジェクト」の壁画作品にもふれながら、少ない事業者ら住民からは現状や希望を直接聞き取るなどした。

生徒の院田乙称(おとね)さん(18)らは「まず、人がいないと思ったが第一印象。若い世代も気軽に集えるカフェやファミレスのような飲食店、楽しいイベントも欲しい。詳しく調べて提案したい」。商業科主任で2組担任の山本祥平教諭(38)も「地域に根差した活動で貢献できる高校として、地元への還元を目指したい」。2学期に向けて提案を目指すという。