鹿児島選挙区の各候補者は大票田の鹿児島市で出陣式を開いた(一部加工しています)
参院選は22日公示、7月10日の投開票へ18日間の選挙戦がスタートした。鹿児島選挙区(改選数1)には4期目を目指す現職に、新人4人が挑む構図で計5人が立候補。立候補を表明していた無所属の新人は午後5時までの受付時間に届け出がなかった。今回の選挙では物価高騰への対応やコロナ禍からの経済回復策、安全保障政策などを争点に論戦が展開されているが、奄美など離島振興策も注目されそう。
同選挙区に立候補したのは、自民党現職の野村哲郎氏(78)、政治団体「参政党」新人の昇拓真氏(32)、無所属新人の西郷歩美氏(37)、立憲民主党新人の柳誠子氏(61)、NHK党新人の草尾敦氏(53)=届け出順=。野村氏は連立与党の公明が推薦、柳氏は国民民主県連、社民が推薦している。
立候補届け出の受付は午前8時半から鹿児島市の県庁6階大会議室であり、各陣営は抽選後に届け出を済ませ、いわゆる「選挙の七つ道具」を受け取ると、候補者や支持者らが待つ出陣式会場へ。前日、県本土は大雨に見舞われたが、この日は曇り空で出陣式開催に支障はなく、5候補者はいずれも大票田の鹿児島市で第一声をあげ、掲げる政策をアピールした。
奄美に関する政策を掲げる候補者もいる。「奄振法の延長に取り組むとともに、奄美大島・徳之島の世界自然遺産登録の効果を奄美群島全体に波及させるための取り組みをはじめ、これからの奄美の姿を地元の皆さんと共に描き、新たな奄振に反映させる」(野村氏)、「さらなる観光立島の実現と経済、産業の成長と発展に取り組む。観光、物産および情報通信を柱に地域内総生産額および域内経済循環を高める。ICTを活用し離島の地理的格差を解消する」(西郷氏)、「奄美が世界自然遺産登録され、癒しの島として国民から愛され、行ってみたい島となるためには、そこで暮らす人々が安心して暮らせる環境づくりが大事。奄振の大胆な転換を図り、地域のニーズに合わせた活用を進める」(柳氏)。
一方、昇氏と草尾氏は党の政策を前面に掲げる。「参政党の重点政策は三つ。『子どもの教育』『食と健康』『国のまもり』。党員主体型政党であり、国民が自ら政治に参加する、そんな国づくりを目指す」(昇氏)、「受信料公平負担の大原則をNHKにこそ徹底して順守させなければならない。既得権化した今のNHKを是正するためスクランブル放送実現に向けて行動を起こし続ける」(草尾氏)。
期日前投票は23日から7月9日まで、県内各市町村の期日前投票所(午前8時半~午後8時)で。投開票は10日だが、奄美12市町村の投票時間は午前7時~午後6時(瀬戸内町の一部地域は繰り上げ)。また、瀬戸内町の請島、与路島など県内一部の地域は9日に繰り上げ投票が行われる。