シュノーケリング事故防止啓発

「離岸流」について奄美海上保安部職員と高井直人代表から説明があった(25日、奄美市笠利町手花部)

奄美海保「離岸流」の退避方法伝える

 奄美海上保安部は25日、マリンスポーツなどレジャーサービスを提供する店、「奄美海族塾」(高井直人代表)が主催する、シュノーケリングに関する「インストラクター資格取得講習会」開催にあわせ、海難防止を目的とした安全啓発活動を行った。奄美市笠利町手花部にある同店施設内で、無料で行われた同活動に、地元集落の住民など10人が参加。シュノーケリングによる事故状況を報告するとともに、奄美の海で発生する割合が高い「離岸流(りがんりゅう)」に関する説明がされた。

 同講習会は、世界自然遺産登録後の奄美群島で、観光客の増加とともに増えているシュノーケリングによる事故を、未然に防ぐ一助となることを目的に開催。同保安部による海難防止の啓発活動は、同講習会を中断する形で、別途実施された。

 同保安部によると、2021年までの過去5年間、奄美群島内における遊泳中に発生した事故の約半数が、集計途中としながらも、シュノーケリングによるものと報告。他に、年代別の事故発生人数などが伝えられるとともに、シュノーケリングによる海難事故の死亡率の高さが伝えられた。

 また、奄美群島で発生しやすい、岸から沖に向かって海水が流れる「離岸流」について解説し、見分け方などを説明。「流れに逆らわず、浜辺と平行に流れを横切る」など、その退避方法が伝えられた。

 高井代表は「シュノーケリングが普及していることは良いことだが、安易な利用や提供が事故増加につながっている。海上保安庁などが伝える、海に入る際の一般的な安全対策は、業種に関わらず、奄美の多くの関係者に知っていただきたい」と話した。