3年ぶり学力向上フォーラム「表現力に課題」

学校と家庭の連携をテーマに行われた、パネルディスカッション

子どもを認め、やる気を向上 奄美市
「表現力に課題」

 2022年度奄美市学力向上フォーラム兼家庭教育学級研修会(市教育委員会主催)が26日、市民交流センターで開かれた。15年から始まった同フォーラムは、新型コロナウイルスの影響で、3年ぶりに規模を縮小し開催。小・中学校全28校の教職員やPTA・保護者など約150人が来場。パネルディスカッションや講演を視聴し、広い視野から成果と課題を明らかにし、これからの学力向上について考えた。

 市教委は、全国調査の結果などから「算数(数学)の学力が低い」、「表現力に課題がある」と報告。生きる力として▽学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」▽社会や生活で生きて働く「知識・技能」▽状況に対応できる「思考力・判断力・表現力など」―をバランスよく育むことが、求められていると呼び掛けた。

 パネルディスカッションのテーマは「学校と家庭が連携して取り組む学力向上」。保護者、教職員、教育委員会の3人のパネリストが語り合った。

 奄美小学校PTAの三腰直美さんは「否定的ではなく、肯定的な話し方が親子の信頼を築く。認めてあげることが必要」と子育ての経験を語った。

 名瀬小学校の右田優斗教諭は「励ましや称賛の声掛けは、やる気を向上させる。宿題を教えるのは教師の仕事、家庭では励ましの声掛けをして欲しい」と話した。

 教育委員会の北原深志主幹兼指導主事は「家庭と学校が、お互いの情報交換ができる関係を築いて欲しい」と呼び掛けた。終了後には「今の勉強は点数だけでなく、バランスよく個性を伸ばすこと。なりたい自分になるために必要な『生きていく力』を伸ばすことが大切」と語った。

 元大島高校PTA会長の松元ひとみさんが「子育てを振り返って~出会いに感謝~」を演題に講演。3人の子育ての経験や、PTAでの多くの人との出会いや体験を語った。講演の最後は「これまで関わってきた全ての人、全てのことに感謝~出会いに感謝~」と締めくくった。

 安田壮平市長は「地域や時代の宝である子どもたちを、奄美の地で責任と誇りを持って見守り、育て、一人一人が光り輝く存在として、健やかに成長することを心から願う」とあいさつした。