ドローン実証実験開始 

瀬相にて古仁屋から運搬された、日用品を確認

実証実験が予定されている18ルート

離島間で瀬戸内町
災害時の物資運搬に期待 18ルート予定

 瀬戸内町は29日、ドローン実証実験を開始した。連携協定を結んでいる、JAL(日本航空)やJAC(日本エアコミューター)など5社が協力し、古仁屋と加計呂麻島の瀬相間で、生活物資運搬のテスト飛行を4往復実施した。平時は日用品の配送、災害時には被害状況の把握や、緊急支援物資の配送を目的とし、2023年度の本格運航を目指す。マルチコプターを使用した実験で、海峡を渡るのは県内初という。

 請島、与路島へのルートを含めた18ルートを設定し、11月まではレベル3飛行(無人地帯における目視外飛行)、12月以降はレベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)により、月1回のペースで実証実験を行う。 

 離発着地点では、地域住民や関係者などが、物流専用ドローン「AirTruck」(積載量5㌔㌘)と産業用ドローン「PD6B」(積載量20㌔㌘)により、ペットボトル飲料やアイスクリームのほか、日用品などが運搬される様子を見守った。 

 JALデジタルイノベーション本部エアモビリティ創造部の村越仁部長は「きょう予定していた内容は、無事に行えた」と実証実験を振り返り、「住民には、体感し理解を深め、ニーズを掘り起こし、ステップを踏んで、本格運航を目指したい」と話した。

 加計呂麻島伊子茂集落の老人ホーム加計呂麻園に勤務する、定島光さん(38)は「フェリーが欠航した時や、がけ崩れにより集落が陸の孤島になった場合の、薬や医療品の運搬ができれば」と期待を寄せた。

 30日も古仁屋と瀬相間で同実証実験を行う。