学校のシンボルツリー「ガジュマルの大木」とのお別れ会=天城町岡前小(記念撮影会)
【徳之島】「あなたに負けないくらい強く、たくましく生きていきます」―。樹齢100年余で樹勢が衰え腐食が進み安全面から伐採が決まった天城町立岡前小学校(田子山ゆかり校長、児童数146人)のシンボルツリー、ガジュマルとの「お別れ会」が30日あった。校区の先輩ら住民も交え、学校の歴史を見守ってきたシンボルの同大木に感謝しつつ別れを惜しんだ。
岡前小は今年創立126周年。シンボルツリーのガジュマルは1世紀余にわたって歴代児童らの学校生活やその成長、地域をも見つめ続けた。だが近年は樹幹の衰えが顕著化。支柱の設置や樹木医の診断・治療も試みたが、樹幹はもはや枯死状態に陥り、気根成長点の頂部にわずかに緑を留める状態に陥った。
「お別れ会」は6年生児童が中心となって計画した。全児童のほか田畑績子さん(89)=松西=など大先輩ら校区民たちも自主参加。「おぼらだれん(ありがとう)」の手書きの横断幕には、児童全員が感謝の寄せ書きをしてガジュマルに掲げた。
児童代表の牧園ひなたさん(6年)は「岡前小学校を見守ってくれた大きなガジュマルの木へ」と題し、思いを発表。先輩らが旧校舎時代、木に飛び移って遊んだことや休み時間のたびに木に登って遊んだこと。自身の入学当時は既に樹勢が弱っていて心配したことも回顧。そして「私たちはあなたに負けないくらい強くたくましく生きていくことを誓います」とお礼を述べた。
峰岡勝巳PTA会長や田子山校長のあいさつによると、今週末にも伐採を予定し、同シンボルツリーの分身(気根成長点)は校内に移植。希望する校区民には挿し木苗の培養配布も検討する。同校のシンボルツリーはほかに、校歌に歌われる「センダンの木」もある。