「創立記念の式」で後輩たちにエールを送った三島一乃医師(県立大島病院)=1日、天城町岡前小
【徳之島】天城町立岡前小学校(田子山ゆかり校長、児童数146人)「創立記念の式」の講演会が1日、同与名間分校(児童数9人)を含む全児童を対象にあった。卒業生で県立大島病院医師(研修医)の三島一乃(かずの)さん(27)が後輩たちに「岡前小学校・与名間分校の皆さんに卒業生として伝えたいこと」と題してエールを送った。
同校「創立記念の式」は、学校創立の意義と歴史を見直すとともに先人の実績を知り、愛校心を培う―などを目的にした7月1日の恒例行事。創立126周年の今年は、卒業生の三島さんを講師に招いた。
同町与名間および松原西区の出身。岡前小与名間分校(1~4年)と同本校(5、6年)、北中、徳之島高、北九州予備校、鹿児島大学医学部を経て医師に。医師を目指したきっかけは、自ら幼児期から病弱で病院スタッフと触れ合う機会が多かった。また、病気のおばと「私がお医者さんになって治してあげる」と約束。そして身近な人の死で「離島医療の現状」を目の当たりにし、医学部への進学を志した。
研修医1年目の現在は「救急医療・総合診療の分野から地域に住む方々がその人らしく生きていけるようなサポートやまちづくり。そして、離島の子どもたちの学びや夢の実現も応援したい」と抱負も後輩たちに紹介。
分校時代に苦手だった一輪車を克服できて努力の成果を確信。小中高生時代を通じ「ボランティアや様々な活動を通じて自分の知らないことを知り、視野を広げてきた。何事も勉強だと思い、挑戦することの大切さを学んだ」。
その上で「無駄なことなんて一つもない。全てが今後の人生の役に立つ。好きなこと、興味のあることなんでも挑戦してみよう」とエールを送った。
後輩児童らを代表して岩山愛辰(あいしん)君(6年生)が「きょうお話いただいたことを〝夢に向かう力〟にしてがんばりたい」などとお礼を述べた。