第35回トライアスロンIN徳之島

号砲とともにヨナマビーチを出発する選手たち

3年ぶり、鉄人396人限界挑む
大島(福岡)総合3連覇、女子は巖淵(埼玉)
奄美勢、中山が7位躍進

【徳之島】第35回「トライアスロンIN徳之島大会」は3日、天城町のヨナマビーチを出発点に同島で開いた。コロナ禍からの再生への意味を込めた「Reborn」をテーマに、3年ぶりの開催。396人の鉄人らは台風4号接近に伴う悪天候のなか、短期決戦となるデュアスロン形式で競い、持てる力の限界に挑戦。総合は福岡県の大島仁(30)が3連覇を達成し、女子の部は埼玉県の巖淵知乃(32)が初V。奄美勢では、前大会36位から躍進した天城町出身の中山雄樹(30)が総合7位に食い込んだ。

大会は1998年から続く初夏の風物詩で、天城町、徳之島町、伊仙町などでつくる同実行委員会が主催。新型コロナウイルスの影響で20年、21年は中止。3年ぶりのレースに、総合の部305人、リレーの部33チーム・91人の県内外の計396人のアスリートらが出場した。

レースは、スイム(2㌔)、バイク(75㌔)、ラン(20㌔)の3種目で島内一周・97㌔を想定していたものの、台風4号の接近を考慮して、ラン(5・48㌔)・バイク(37㌔)・ラン(20㌔)で争うデュアスロン形式の62・48㌔に変更し、自慢の健脚を競った。

スタート会場となったヨナマビーチの天候は曇りで、気温28・5度、北の風8・3㍍。午前8時に号砲が響くと、100人ずつが3分おきにスタートし、ゴールの天城町総合運動公園を目指した。

選手らは、最大瞬間風速17㍍といった過酷なハンデをものともせず、屈強な鉄人ぶりを発揮。雨や風、悪路などがじわじわと体力を奪う苦しい展開も、白熱のレースを繰り広げた。

沿道では地元住民らが「キバレっ!」などとチヂンをたたきながら声掛けをし、選手の走りを鼓舞。コース上に設置されたエイドステーションでは、スタッフやボランティアがドリンクやスポンジを素早く手渡し、力を振り絞る選手の頑張りを支えた。

ゴール会場となった総合運動公園陸上競技場では、家族や知人らも大勢駆けつけ、帰還する選手の勇姿を見守った。笑顔でテープを切る選手、大勢の仲間と手をつないでゴールに飛び込む選手など、それぞれが歓喜の表情で喜びを表現していた。