パナウル診療所の再開を喜んだ参加者ら=与論町=
持続可能な医療を
与論町長「感謝の気持ちでいっぱい」
【沖永良部】2021年3月に閉院した与論町のパナウル診療所の再開を祝う「開設祝福祭」が3日、同診療所であった。診療所を運営する医療法人社団「悠翔会」の職員や地域住民ら約100人が参加し、診療所の新たなスタートを喜んだ。
パナウル診療所は、1991年に元所長の古川誠二さんが開設。約30年に渡って地域医療を支えてきた古川さんが勇退することになり、診療所の存続に向けて引き継ぎ先を探していた。
診療所を運営する「悠翔会」(佐々木淳理事長)は、首都圏を中心に在宅医療を行うクリニックを展開している。
祝福祭に参加した同町の山元宗町長は「再開の知らせを聞き、感謝の気持ちでいっぱいになった。町で構築を進めている地域包括ケアシステムの中における在宅介護の中心的役割を担ってほしい」と期待を込めた。
リモートで参加した元所長の古川さんは「診療所の名前も施設もそのままに再出発することができてうれしい。全ての医療機関が一体となって島民の健康と命を守ってほしい」。悠翔会の佐々木理事長は「地域の課題を解決していく手伝いをしながら、持続可能な医療を法人として考えていきたい」と述べた。
診療所の院長に就任した小林真介さん(42)は「診療所への赴任の話をもらい、二つ返事で引き受けた。この地に腰を据え、島の一員として認めてもらえるよう頑張りたい」と語った。