世界自然遺産登録全世帯 今月からアンケート調査

 

 

ペット適正飼養の普及へ
島嶼生物多様性保全ネットワーク

 

 ペット飼養の現状を把握するために、島嶼生物多様性保全ネットワークは7・8月の2カ月間、アンケート調査を実施する=ポスター=。対象は、世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の全世帯。アンケート結果を公表し、学会などで発表予定。シンポジウムの開催などで、正しいペット管理の普及啓発に取り組んでいく。

 昨年は「学校飼育動物の飼養実態アンケート調査」を同地区で実施。4~6月の2カ月半で、115校の小中学校から94校(81・7%)から回答を得た。このうち「学校飼育動物」を飼育しているのは54校(57・4%)。環境省外来種リストのミドリガメ(緊急対策外来種)、カイウサギやノヤギ(重点対策外来種)などが飼育されていることが判明した。

 アンケート結果から、▽学校での外来種問題や自然生態系の理解の充実が必要▽逸走・遺棄による野生化抑止の普及啓発▽獣医師会による飼育支援や協力体制の必要性―などを提言。報告書を250部作成し、学校や行政に配布。オンライン配信も行った。

 今回のアンケート調査は、住民のペット飼養の実態を把握し、適正飼養につなげるためのもの。各自治体の情報誌にアンケートチラシを折り込み配布。回答はオンラインで受け付ける。

 アンケート内容は▽ペットの種類や飼養状態▽今後どんな種類のペットを飼養したいか▽ペット飼養の問題点―など。7月上旬から配布し、回答締切は8月31日まで。9月31日までに結果をまとめ、速報を公表。その後、精査して正式な報告書を作成する。

 同保全ネットワークの山田文雄さんは「昨年初めての調査は学校が対象。今回の調査は、一般世帯のアンケート結果を基に、適正飼養の啓発普及に取り組みたい」と話した。