奄美市農業研修生

奄美市農業研修生修了式並びに入所式が行われた(5日、奄美市農村環境改善センター)

2人に修了証書、2人が入所
次世代を担う農業者育成へ

 奄美市農業研修生修了式・入所式が4日、同市農村環境改善センターであった。2年間及び1年間、農業技術などを学んだ2021年度修了生2人に修了証書を授与するとともに、新規研修生2人に対する22年度入所式を実施。安田壮平市長の他、県大島支庁農政普及課職員、市の担当者、指導農業士らが出席するなか、就農と農業技術習得への決意を新たにした。

 同研修は、(公財)奄美市農業研究センターが、次世代を担う農業者の育成・確保を目的に実施。2007年度開始以来、現在まで41人が修了し33人が就農(うち7人が離農)している。

 式辞で安田市長は、「研修で出会った人たちの力を借りながら、奄美の農業を支える経営者として成長されることを、心より期待している」と修了生にあいさつ。続けて新規研修生に対し「2年間の農業研修を通して自ら選んだ道で、様々なことに挑戦していただきたい」と話し、4人をそれぞれ激励した。

 修了生の山越織江さん(29)は、パッションフルーツとカボチャを、有薗和樹さん(59)はタンカン・スモモと露地野菜で営農予定。2年間の研修を終え山越さんは「奄美市の耕作放棄地の問題に少しでも力になりながら、奄美の作物のPRをしていきたい」と意気込みを語った。引き継いだタンカン園が収穫を迎えることから、1年短縮し研修を終える有薗さんは「奄美を楽しみ周囲の力を借りながら、農業を営みたい」と抱負を述べた。

 新たに入所した、東京からIターンで来島した与沢裕美さん(42)は、「食材が(料理の)8割の力を持っている」という言葉を知り、就農を決意。パッション・カボチャなどの栽培を教わりながら、将来は、奄美の気候に合わせた農作物を作りたいと話した。

 大阪からUターンした長真琴さん(50)は、農業研修のために帰島。「奄美といえばパッションと言われるよう頑張りたい」と語った。2人は2年間、農業技術の指導を受けるとともに野菜、果樹、病害虫といった農業に関する基礎知識、農業経営に必要な簿記などを各講座で学ぶ他、実践研修などに参加する。