伊藤獣医師が講演

生きた「ハヤブサ」の登場に盛り上がる会場

 

 

「間違った救護しないで」
いんまや動物病院
あまみならでは学舎

 

 

 県立奄美図書館(加峯美由紀館長)は9日、2022度第3回「あまみならでは学舎」を研修室で開講した。講師は奄美いんまや動物病院の獣医師、伊藤圭子さん、演題は「ケガした野生動物を見つけたら?」。動物がテーマということもあり、親子連れなど多くの子どもを含めた、70人が参加し、保護した動物の映像や資料を交えた講演に耳を傾けた。講演の最後には生きた「ハヤブサ(オス)」も登場し会場を盛り上げた。

 伊藤さんは愛知県出身。野生動物に興味を持ち、大学の卒業論文で「マングースの研究」をまとめ、それをきっかけに奄美大島に移住。島内の動物病院勤務を経て、2019年龍郷町に「奄美いんまや病院」を開業した。犬、猫、小動物の診療のほか、野生動物の受け入れを積極的に行っている。

 講演は、「野生動物の救護とは」「必ずしも野生動物は減っているわけではない」「救護は野生動物の保護や、自然環境の保全に寄与すべく行われる」などの内容で行われ、救護する際に役立つ「どうぶつレスキューボックス」の紹介もあった。救護されても元気になり、リリースされるのは約3割であり「間違った救護が自然環境に、悪影響をもたらすことも少なくない」と訴えた。

 伊藤さんは「弱った野生動物を見つけた時は、よく見て正しい判断をして欲しい。必要のないストレスを掛けないようにして」と話し、「野生動物の生きざまがあり、自然に任せることも、間違いでないことを知って欲しい」と語った。

 ペットの「コザクラインコ」の不安な状況について質問した、徳永タヅ子さんは「適切なアドバイスをもらい安心した。また、野生動物の救護について勉強になった」と話した。

 第4回の同学舎は8月27日、㈱COCOROの代表取締役、新元淳平さんを講師に招き、演題「愛され続ける奄美黒糖焼酎」を予定している。