フォレストポリスで観察会

水辺のトンボや生物を観察する参加者

野鳥の会 水辺の生物に触れる

NPO法人奄美野鳥の会(永井弓子会長)主催の「フォレストポリス自然観察会」が10日、大和村の奄美フォレストポリスであった。会員や家族連れなど約30人が参加。水辺に生息する生物を観察し、奄美の豊かな自然に触れながら環境保護の意識を高めた。

奄美フォレストポリスは、群島最高峰・湯湾岳の麓に広がる役20㌶の森林公園で、手つかずの亜熱帯植物の生い茂る山林が広がる。今回は、四つあるゾーンのうち「水辺のゾーン」で池や湿地帯に生息するトンボを主に観察した。

奄美に生息するトンボ約40種類のうち、同地には30種類が生息しているという。参加者らは、「すぐ横を住用川本流が流れ、この地帯はトンボにとっては良い環境」という山室一樹さん(61)の説明に耳を傾けながら、水際を飛ぶトンボをカメラに収めたり、名称や生態など確認した。

また、日本で一番小さな種「コフキイトトンボ」や、尻尾が太く目が緑色の鮮やかな「タイワンウチワヤンマ」など、目の前にし、子どもたちも声をあげて喜んだ。この日確認したトンボは13種類。

様々な生物を確認する一方、山室さんは「昔、水田に多くいたミズスマシは、田んぼや接続する小川の減少で少なくなった。メダカは外来種のカダヤシに取って変わられた」と近年の環境変化を危惧。「数少ないこういう水田地帯を、島民自身が保全しなければならない」と提言した。

祖母と参加した西田祐亜くん(小宿小6年)・リオナさん(同2年)の兄妹は「虫がいっぱいいて楽しかった」「珍しいトンボをいろいろ見れてよかった」とそれぞれ話した。

次回は8月20日、龍郷町でナイトウォッチングを予定している。