参院鹿児島選挙区 4選の野村氏に聞く

(のむら・てつろう)霧島市出身。04年初当選で4期目。鹿児島選挙区候補者の最年長78歳で、農林水産大臣政務官などを歴任。前3期の梅雨の選挙と打って変わって今回は〝日照り〟と戦う選挙に、「(自民県連会長)森山先生も元気で、改めて自民党はすごいと思った」と笑う。好きな言葉は「汗は自分でかきなさい。手柄は人にあげなさい」。

 

 

食料の安全保障、最優先
離島のガソリン「支える」

 

 任期満了に伴う第26回参院選は10日に投開票され、改選1議席を5人が争った鹿児島選挙区は自民現職の野村哲郎氏(78)が新人4人の挑戦を抑え、4選を果たした。鹿児島市上之園町の事務所で会見し、4期目を政治家の「総仕上げだ」と決意をにじませる野村氏。「最優先」と掲げる食料の安全保障対策のほか、奄美への思いなどを聞いた。

              ◆  ◆

 ―選挙を振り返って。
 私の当選というよりも自民党や支持していただいた農政連の皆さまの勝利。TPPに農業改革など、3期18年はあっという間だった。
 ―有権者に何が響いたのか。
 二つの安全保障。一つは国の安全保障で、もう一つは食料の安全保障。この結果が〝早い当確〟につながったと感じている。
 ―4期目、まず何に取り組む。
 食料の安全保障だ。できるものは輸入に頼らず日本の中で作ることが鉄則。不足するから物価が上がる。買えればいいが、本当に買えなくなった時にどうするのか。危機管理だけはやらなければならない。東京に上がればすぐやっていく。
 ―具体的には。
 (これから)議論が必要だが、どの食料、どの分野の自給率を上げるのか。余っているのは米だけ。小麦、大豆、トウモロコシなど、いろんなものが日本には不足している。我々政治家の詰めも足りなかったと思い知らされている。
 ―選挙公約では与野党が消費税(現行のままか引下げか)で意見が分かれた。どう向き合う
 これ。までみんなで合意しながら、社会保障と税の一体改革を整備してきた。(消費税を)引き下げるとなると財源はどうするのか。耳障りのいい話だが、医療費が上がり、子どもへの支援が消えることもありえる。しっかりと見極めなければならない。
 ―選挙期間中、奄美を訪れた際は、台風も影響した。
 (徳之島への遊説が中止になるなど)心残りはあったが、5月上旬にはすべてを回って、国政報告を行っている。意見も交わし、思いはこれまでにも増して、しっかり伝えてきた。国政で示していきたい。
 ―奄振法が期限を迎える。
 一番大事なことだ。新たに離島振興法も改正を迎える。離島の厳しさは我々も肌で感じている。特にガソリン価格の高騰に対しては何とか支えていかなければならない。
 ―最後に抱負を。
 農業だけでなく、「食料」というキーワードが有権者に届いたと感じている。今まで経験したことのない新たな国難だ。(4期目を)総仕上げと捉えて、全力で取り組みたい。
                        (聞き手・青木良貴)