新種確認「シノビドジョウ」と命名

徳之島・伊仙町内で3年前に確認、新種と判明した「シノビドジョウ」(中島淳研究員提供)

伊仙町湿地産 福岡県の中島淳研究員が発表

 【徳之島】ドジョウ属の遺伝的・形態的特徴などの専門家で、福岡県保健環境研究所専門研究員の中島淳さん(45)が2019年11月、鹿児島県徳之島・伊仙町内の湿地で採取した個体が新種と判明し「シノビドジョウ」と命名。新種記載論文の専門誌『Zootaxa』(オンライン出版)に「奄美群島固有の新種のドジョウ。標本の産地は徳之島・伊仙」と掲載された。

 中島さんは同研究所環境生物課の専門研究員の傍ら、環境省・重要生態系監視地域モニタリング推進事業陸水域調査淡水魚類分科会委員や日本魚類学会自然保護委員なども務める研究者の1人。

 3年前の11月、伊仙町内の湿地などのドジョウ属を調査。採取個体を海外産を含む標本との比較・分類研究を進めた結果、未記載種と判断して今冬、同専門誌に投稿。先週に受理され、12日までに掲載誌がオンライン出版された。

 「シノビドジョウ」は、日本の琉球諸島から採取された「27種の標本に基づくドジョウの新種」と紹介。奄美群島の固有種であるため学名は「Misgurnus amamianus(ミスグルヌス・アマミアヌス)」(アマミアヌス=奄美の)にした。

 中島さんは「古い標本は、奄美大島や喜界島のものも確認したが調査では見つからなかった。沖永良部島は生息地のため池が昨年改修されてしまい、絶滅した可能性が高い」。そして「シノビドジョウは徳之島2産地と、人為移入に基づくと思われる西表島(沖縄県)の1産地のみと思われる。徳之島の2産地の保全は非常に重要」と指摘。

 今後の対策として「徳之島内でビオトープ(安定的な生息空間)をつくっての放流。生息池の環境を改善して島内に普通にいる状況もつくりたい。食用やペット用など販売種(外来種)を放つことによる交雑や競合も、シノビドジョウの絶滅原因に。他地域にはない奄美群島の素晴らしい生物多様性を大事にして欲しい。私は奄美群島の自然環境が大好きです」とも話した。