喜界島で「サイレントシアター」

高性能ヘッドホンで映画を鑑賞する「サイレントシアター」を楽しむ観客たち(提供写真)

高性能ヘッドホンで映画堪能
300人、最先端の上映体験楽しむ

高性能ヘッドホンで映画を鑑賞する「サイレントシアター」(喜界島観光物産協会主催)が8~10日、喜界町であった。観客らは大画面を前に、最新技術のヘッドホンを着けて映画を堪能。映画館のない島で、最先端の上映体験を楽しんだ。

サイレントシアターは、㈱シアターギルド(東京都、五十嵐壮太郎代表取締役)が特許を持つ無線通信機能付きのヘッドホンで映画を鑑賞する新しいコンセプトの上映システム。同協会の呼び掛けに、同社が全面協力することで実現。九州初開催で、東京の映画館「シアターギルド代官山」以外での利用は初めてだという。

上映は、ウクライナで撮影し戦争の悲しみを描いたイタリア映画「ひまわり」や日本の長編アニメ「この世界の片隅に」など4作品。高校生までの無料招待約100人を含め、3日間で約300人が会場を訪れた。

初日の8日、会場となった同町のライブハウス「Funky・Station・SABANI」には、多くの人が集まった。観客らはいすやソファに腰掛け、個別に渡されたヘッドホンを装着し視聴。隣の人の雑音などを気にすることのない独特の没入感で、映画にのめり込んだ。

鑑賞した土岐裕美さんは「最先端のヘッドホンで映画にどっぷり浸れた。喜界島でのこの体験はうれしい」と喜び、實浩希さんは「音には臨場感があり、雑音も聴こえず映画館よりいいかも」と笑顔だった。

イベントを企画した同町地域おこし協力隊の谷川理さんは「東京以外で全国初となるイベントを喜界島でできたことに感無量。成果と課題を検証することで、さらに魅力ある企画にしていきたい」と話した。