「六月灯」で奉納・八月踊り

約100発の花火が、夏の夜空と海上を彩った(15日、奄美市笠利町)

昨年2月に建て替えられた厳島神社の鳥居(右奥)を前に八月踊りが奉納された(同)

100発の花火が赤木名漁港を彩る
笠利町外金久集落

 奄美市笠利町の外金久集落(諏訪光三区長、234世帯492人)にある厳島神社で15日夜、同集落恒例の夏の風物詩「六月灯」が行われた。昨年2月に新築された社殿が1周年を迎えたことを祝し、住民らが八月踊りを奉納するとともに、地元企業の協力による、約100発の打ち上げ花火と水中花火を実施。赤木名漁港の夜空と海面を彩る色鮮やかな無数の花火とともに、住民らは集落の安寧を願った。

 六月灯は、旧暦6月に県内の神社や寺院で行われる夏祭り。笠利町誌などによると同神社は、1838(天保9)年に創建。1897年に外金久集落の氏神となり、弁財天を神体に安産や航海の神様として鎮座するも、昨年2月建物の老朽化に伴い50~60年ぶりに社殿、鳥居を新築。地域住民が集めた資金を元に、約2カ月をかけて集落青壮年団ら自らの手により完成させた。

 この日の祭りは、新型コロナウイルス感染拡大を考慮し、夜店の出店を控え、舞台の設置による催しなどを中止。しかし、こども会で描かれた提灯約40個が境内や参道に飾られるなか、広場では五穀豊穣を願った八月踊りが行われ、赤木名漁港で花火大会を実施。約100発の打ち上げ花火と水中花火の下、集落の安寧が願われるとともに、同祭りを大いに盛り上げた。

 諏訪区長(70)は「コロナ禍ではあるが、外金久集落の文化である『六月灯』をなくすわけにはいかない。集落の皆さんの思いが集まった結果、今年も開催出来た。これからも集落の伝統として、祭りを継続していきたい」と話した。