新観光コース『タンギョの滝』を提案する常田守さん
世界自然遺産の登録効果を有効活用することを目的とした、奄美市の公民連携組織「世界自然遺産プラットフォーム」の第2回会合が16日、同市役所であった。市民参加型として、高校生5人を含む9人の市民も傍聴。エコツアーの分散化や奄美の文化などについて、メンバー14人の活発な議論が交わされた。
同組織は環境、文化、芸能、産業など各分野から選ばれた市民14人で構成。公民連携の場(プラットフォーム)で、奄美の自然文化・環境など様々な課題を協議。持続可能な自然共生社会を目指すもの。
現在、金作原原生林に集中している観光コースの分散化について、 『神屋タンギョの滝』の新コースを奄美自然環境研究会の常田守さんが提案。住用川上流に位置するタンギョの滝は、落差100㍍を超える秘境の滝。周辺には希少植物が多数生息している。
その圧巻の光景は、新たなエコツアーコースに相応しいとする一方、課題として▽建設土木専門家などによる安全確認や調査が必要▽希少植物の盗掘―などが挙がった。同コースは「プラットフォーム第一号提案」として今後、詳細な原案を詰めていく。
文化面からは、『奄美独自の食文化の成り立ち』や、『生活文化としての歌と踊り』について、麓憲吾さん(アーマイナープロジェクト代表)と久留ひろみさん(郷土料理研究家)が解説。伝統を守りつつ、新しい文化形成の必要性を提言した。
傍聴した高校生からは「小さな集落を盛り上げることで、島全体の活性化につながる」「島の中高生も、もっとこの会合に参加して奄美の課題を共有すべき」などの意見が出た。
座長の須山聡さんは「世界自然遺産関連だけでなく、奄美の様々な課題や問題を協議する場にしたい」と、今後の同プラットフォームの方向性を述べた。
次回は8月20日、持続可能な観光推進のための「入島税」など、四つの議案について協議する。