阿室小中 23年目迎えた稲作体験学習

鎌を使った稲刈りに児童生徒たちが汗を流した(15日、阿室小中学校)


8月1日予定の脱穀作業に向け体育館に稲束を干していった(同)

鎌使った「手刈り」作業に汗流す

 宇検村の阿室小中学校(中村正治校長、児童生徒18人)で15日、環境学習「育てよう阿室米~稲刈り~」が同校内にある水田で行われた。同校恒例の稲作活動に、児童生徒・教職員らの他、稲作指導員の後藤恭子さん(46)、阿室集落老人会、保護者らが参加。今年2月の「苗床づくり、種蒔き」から始まった「阿室米作り」に向け、児童生徒らが稲刈り作業に汗を流した。

 稲作体験活動は、同校敷地内に田んぼを整備した1999年度から始まり、地域の指導者と屋鈍・阿室・平田の各集落の地元老人会などの協力の下、今年で23年目を迎えた。同校は、昨年度から県教育委員会の「環境教育」研究協力校に指定。稲作体験とともに、田んぼにすむ生物の観察、調査を行うなど、奄美の自然や文化を生かした環境学習に、率先して取り組んでいる。

 天候に恵まれたこの日、児童生徒は3グループに分かれ、▽稲刈り▽稲を束ね結ぶ▽稲を体育館に運び干す―といった作業を分担。稲刈りは、約1㌃の田んぼに植えられたもち米の稲を、後藤さんの指導の元、鎌を使った「手刈り」作業を実施。ブルーシートに並べられた稲束をわらで結び、途中、水分補給の休憩をはさみながら、体育館2階の手すり部分に干していった。

 小学1年生の頃から同校の稲作体験活動に参加してきた後藤愛彩さん(中2)は「稲作体験活動は阿室小中学校の伝統。私たちが卒業した後も続いてくれれば」とその思いを述べた。

 同じく小学1年生の頃から参加している富岡優くん(小5)は、「5回目だけど楽しかった。(4月の)田植えの時は腰が痛くなったけど、餅つきが楽しみ」と笑顔で語った。

 8月1日に脱穀作業、12月には餅つき大会を予定している。