全日本クラブ野球選手権大会出場へ

8月に開催される全日本クラブ野球選手権大会に出場する澤村(左)永井(中)政所(右)の3選手(提供写真)

ビック開発ベースボールクラブ(那覇) 奄美大島・徳之島出身者活躍
「地元小・中学生の希望になれたら」

 今月2、3の両日、佐賀県で開催された「第46回全日本クラブ野球選手権九州地区予選」で優勝した、沖縄県那覇市に本拠地を置く、社会人野球のクラブチーム「ビック開発ベースボールクラブ」にプロを目指す奄美大島、徳之島出身の3人が在籍し奮闘している。

 プロの登竜門となるクラブチームで活躍する3人を紹介する。

 奄美市名瀬出身で在籍2年目の永井大也内野手(24)。金久中、神村学園、九州国際大を経て3年契約で加入した永井。高校、大学時代は肘や肩の故障に泣き、長いリハビリや手術などで完治まで約1年費やす。野球を断念しようと思ったが、やはり未練が残り一念発起、同クラブのセレクションを受け合格した。永井は「契約は来年まで。この1年で結果を出し、プロから声が掛かるよう頑張りたい」と意気込む。持ち味は安定した守備と広角に打つ打撃、一方、課題は走力、特に積極性に欠けることを挙げた。九州地区予選は体調・コンディション不良などで1イニングだけの出場だった。全日本にかける思いは強い。「チームの優勝、日本一を目指したい」と誓う。

 天城町出身で在籍3年目の政所凌外野手(22)。北中、樟南第二、宮崎福祉医療カレッジ野球部を経て同クラブで最終年を迎える。走力が武器、しぶとく広角に打ち分ける2番打者。九州地区予選では「結果を残せなかった」と悔やむ。チームに「貢献出来なかったが、チームメイトが全国に導いてくれた」。結果を残し「恩返ししたい」と前を向く。今シーズンで契約が切れる政所は「もう野球は終了しようと思っている」と話す。ただ今は「8月の全国に集中したい」という。

 同じく徳之島町亀津出身の澤村洋飛外野手(22)。亀津中、徳之島高、深谷組経て在籍3年目。178㌢、90㌔から放つ長打力と強肩が魅力。九州地区予選は決勝戦のみ出場。優勝したが「素直に喜べない自分がいた。悔いが残った」と振り返る。3年目で初の全国大会「レギュラーに定着し、チームが日本一になれれば満足」と話す。

 政所、澤村両選手は今大会を最後に野球に区切りをつける覚悟で臨むという。2人は「徳之島に帰郷し、野球に携わりながら小・中学生を指導出来たらうれしい」と夢を語る。

 全日本クラブ野球選手権大会は8月27日、神奈川県で開催される。