大島、初の決勝かけて22日国分中央戦

多彩な変化球を持つ国分中央のエース安藤

今大会8打点を挙げている大島の4番・西田

夏高校野球 好勝負に期待

【鹿児島】第104回全国高校野球選手権鹿児島大会第15日は22日、鹿児島市の平和リース球場で準決勝2試合がある。第1シード大島は第2試合で第4シード国分中央と対戦する。初の決勝進出を目指す両者の対戦の見どころをこれまでの戦いぶりから探ってみた。

国分中央は昨秋4強、今春準優勝、NHK旗8強と、この1年間、安定して上位の結果を残している。好左腕・安藤奈々利を擁し、打線も今大会4試合で4割2厘と当たっている。3番・坂元樹生、4番・宇都大樹、5番・猩々琳太の中軸で20打点を挙げており、勝負強さが光る。

選手たちの戦う姿勢に光るものを感じる。「人生かけてやる!」「死ぬ気でやる!」…熱い本気の言葉が選手たちから発せられる。どんな展開でも全力プレーを怠らない。左腕エース安藤は多彩な変化球を持ち、見た目以上に打ちにくい。コロナで中止となった一昨年の代替大会で準優勝するなど、夏は何かを起こす強さを持っている。

大島も調子は上がっている。チーム打率は3割6分9厘。4番・西田心太朗が15打数6安打8打点と勝負強さを発揮している。出水中央戦でサヨナラ打を放った8番・美島永宝が14打数8安打2打点と5割超の数字を残す。武田涼雅主将が3番に復帰したのも好材料。準々決勝・出水中央戦は中盤までの劣勢を跳ね返し、九回裏で逆転サヨナラ勝ちした。昨秋の県大会優勝、九州大会準優勝した頃のような粘り強さ、どん欲に勝利を目指す姿勢がより高まっている。

ここまで4試合を1人で投げている大野稼頭央の安定感が光る。出水中央戦は二回以降毎回先頭打者を出す苦しい投球だったが、走者を出してからギアが上がり、力強い直球や意表を突く切れ味のスライダー、チェンジアップで相手打者を翻弄する。

核になる左腕エースがいて、打線も好調と共通点のある両者だが、国分中央はバントで送り、大島は打ってつなぐという明確な違いがある。大島・塗木哲哉監督と国分中央・床次隆志監督は鹿児島大時代にバッテリーを組んでいた仲。互いを知り尽くす両者の采配も含めて、好勝負が期待できそうだ。(政純一郎)